タイトル | 異なる収穫機械体系で調製した稲発酵粗飼料の消化率 |
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担当機関 | 埼玉農総研 |
研究期間 | 2002~2002 |
研究担当者 |
吉田 香 富田道則 春日政夫(川越家保) |
発行年度 | 2004 |
要約 | フレール型専用機、コンバイン型専用機、牧草収穫機で収穫した稲発酵粗飼料(イネWCS)の乾物、粗脂肪、粗繊維の消化率および可消化養分総量(TDN)には、差が認められないが、フレール型専用機体系では糞に排出される未消化な籾が低減する。 |
キーワード | 乳用牛、飼料イネ、消化率 |
背景・ねらい | イネWCSの収穫は主にフレール型専用機、コンバイン型専用機と牧草収穫機の3体系で行われている。これらの機械で収穫したイネWCSの形状は各々全く異なり、籾の破砕などでイネWCSの栄養価が高まることが期待されている。 そこで、異なる収穫機械体系で調製したイネWCSの消化率について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 黄熟期の飼料イネ「はまさり」をフレール型専用機(フレール)、コンバイン型専用機(コンバイン)、牧草収穫機(牧草収穫)で収穫し、ロールベールサイレージに調製した3種類のイネWCSをホルスタイン種乾乳牛3頭に1期11日間(予備期8日、本試験期3日)の3反復で給与する消化試験を実施し、以下にその成果を示す。 2. フレール、コンバインは予乾せずにダイレクトでロールベールに調製するので乾物率は低く、牧草収穫は予乾して調製したので乾物率は高い(表1)。さらに牧草収穫はイネWCSを牧草カッター(切断長は20mm設定)で切断して給与したので、表2に示すとおり乾物摂取量(DMI)は他に比べ有意に高い(P<0.05)。 3. 乾物、粗脂肪、粗繊維の消化率はフレールが最も高く、粗蛋白質の消化率はフレールとコンバインは同等であり、消化率から算出した可消化養分総量(TDN)はフレールが最も高い値であるが、有意な差は認められない(表2)。 4. 糞中から検出された籾の状態は図1に示すとおり、フレールは他に比べて籾の中身が傷も無く完全に残っている未消化な籾が最も少なく、中身が完全に消化された籾(モミガラ)が最も多い。牧草収穫は牧草カッターで切断しているが、籾の中身が一部欠けて不完全な形で残っている籾(一部未消化籾)や未消化な籾の割合が高い。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 収穫機械体系を導入する際の参考として利用できる。 2. 籾の消化性は同じ機械体系でもイネの品種、生育状況、収穫時の天候、給与方法等によって変動することに留意する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 収穫機 乳牛 品種 |