タイトル | 緑茶飲料残渣の混合サイレージ化 |
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担当機関 | 静岡畜試 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
室伏淳一 大谷利之 武田美和 深澤修 秋元峻二 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 緑茶飲料残渣サイレージを調製する場合、市販乳酸菌製剤を添加しなくても、粗飼料や濃厚飼料と混合することにより、嗜好性が増し、簡易な良質サイレージの調製が可能となる。 |
キーワード | サイレージ、緑茶飲料残渣、乳酸菌、粗飼料、濃厚飼料、嗜好性 |
背景・ねらい | 近年、機能性成分が多く残存する緑茶飲料残渣に乳酸菌と繊維分解酵素であるセルラーゼを添加することにより、安価に長期貯蔵できるサイレージ調製技術が開発されている。しかし、単味では嗜好性が悪く、水分含量が高いことから、水分調整や微生物的な制御が必要となる。そこで、もともと粗飼料などに付着している野生乳酸菌、可溶性炭水化物の含まれる粗飼料や濃厚飼料を混合することにより、簡易な緑茶飲料残渣混合サイレージの調製方法及び嗜好性について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 予め水分が70%となるように緑茶飲料残渣と粗飼料3種類(稲ワラ、イタリアンライグラス、チモシー)及び濃厚飼料2種類(フスマ、肉牛用配合)を混合、計5種類の混合サイレージをパウチ法により25℃で14日間調製し、サイレージの品質評価を行った。その後、同様の配合割合で、粗飼料2種類(稲ワラ、チモシー)及び濃厚飼料2種類(フスマ、肉牛用配合)の混合サイレージをミニドラム缶サイロにより室温で30日間調製し、黒毛和種繁殖雌牛5頭、ホルスタイン種未経産牛1頭に給与し、カフェテリア法による30分間の採食量を比較した。 1. 緑茶飲料残渣混合サイレージは、官能検査において、色、臭い、触感に優れ、良質な発酵が得られた(表1)。 2. 調製時にグルコースを5%添加した方が乳酸割合が高まり、よりpHが低く保たれた。したがって、緑茶飲料残渣に粗飼料や濃厚飼料を混合する場合、ある程度の糖分添加が必要と思われる(表1)。 3. V-SCORE値は混合する飼料の種類や糖の添加の有無により低い値を示すものがあったが、この差はアンモニア態窒素に起因すると考えられる(表1)。 4. 緑茶飲料残渣単味サイレージでは採食率が低く、混合サイレージの方が高い嗜好性を示した。中でも緑茶+フスマの混合サイレージが最も高い採食率を示した(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 緑茶飲料残渣の嗜好性向上のためには、混合サイレージ化は有効な手段であることが明らかとなり、本成果情報はTMR飼料実用化に向けた基礎データとして役立つ。 2. 今後、緑茶飲料残渣の飼料化を普及・実用化するためには、維持レベルや生産レベルの飼料メニューを設計し、牛を用いた長期的な給与試験を行う必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | イタリアンライグラス 機能性成分 茶 長期保存・貯蔵 肉牛 繁殖性改善 |