食品加工副産物による発酵飼料の豚に対する飼養効果

タイトル 食品加工副産物による発酵飼料の豚に対する飼養効果
担当機関 長野畜試
研究期間 2003~2003
研究担当者 清水伸也
保科和夫
原雄一
供野潤也
西條勝宜
毛利重徳
発行年度 2004
要約 食品加工副産物を原料とした発酵飼料を肥育豚に給与することで、豚産肉能力検定飼料及び市販配合飼料を給与した場合と同様に良好な発育が得られる。
キーワード ブタ、食品加工副産物、発酵飼料
背景・ねらい 食品加工副産物および食品残さを原材料とした発酵飼料の、肥育豚に対する飼養効果を検討し地域資源有効活用、食品リサイクルに資する。
成果の内容・特徴 1.
体重約30kgのLWD種肥育豚を食品加工副産物による発酵飼料給与区(試験区)、市販肥育用配合飼料給与区(慣行区)、及び豚産肉能力検定用飼料給与区(対照区)、に各区6頭、合計18頭配置して110kgまで肥育試験を実施して比較検討した。なお飼養条件は120×270cmの豚房に2頭ずつ収容し体重70kgまで前期飼料、70kg以降は後期飼料の不断給餌、飲水は自由飲水である。
2.
発酵飼料の原材料は以下のとおり、また成分値は表1のとおりである。
前期:
即席めん、油めん、乾燥そば、小麦、菓子
後期:
即席めん(非油)、乾燥そば、脱脂大豆胚軸、大豆分離タンパク、パイナップル甘煮、粉末全卵
共通:
ふすま、コーングルテンフィード、おから、魚粉
これらの原材料を混合のうえ、発酵菌として酵母菌を添加し、発酵促進機により撹拌・混合・温度保持を行う。使用酵母は清酒酵母「Saccharomyces cerevisiae 掛川株」発酵条件は35±5℃・湿度40%である。
3.
試験期間の一日平均増体重(DG)は区間に有意な差は認められない。また、飼料摂取量を乾物換算して算出した飼料要求率は区間に差は認められない(表2)。
4.
枝肉成績において試験区は対照区との間に差は認められないが、慣行区に比べ背脂肪が厚い  (表3)。
5.
各区試験豚の去勢及び雌1頭について体重100kg時に採血し、血清生化学検査を実施した結果いずれの項目とも区間に有意な差は認められず正常値の範囲内であり、発酵飼料を給与することによる肥育豚の健康に対する悪影響はないと考えられる(表4)。
成果の活用面・留意点 1.
発酵飼料はpHが3.9と酸性で水分が約30%と高いため一部にかびが発生し、飼槽内に腐食が起こる可能性がある。
2.
通常の自動給餌器を使用する場合は飼料の落下が悪いことがあるため注意が必要である。
図表1 217614-1.gif
図表2 217614-2.gif
図表3 217614-3.gif
図表4 217614-4.gif
カテゴリ 加工 乾燥 小麦 そば 大豆 パイナップル

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