北陸地域のシバ型放牧草地に適するセンチーピードグラスとセル苗による育苗法

タイトル 北陸地域のシバ型放牧草地に適するセンチーピードグラスとセル苗による育苗法
担当機関 富山畜試
研究期間 2001~2004
研究担当者 丸山富美子
吉野英治
国吉誠
小山智鶴
蓑和誠也
発行年度 2004
要約 センチピードグラスは被覆速度が速く、越冬性が良好で、北陸地域のシバ型放牧草地の早期造成に適した草種である。また、6月上旬移植を前提としたセル苗は、ガラス室内において5月上旬に基肥NPK各25mg/セル施用によって短期に育苗できる。
キーワード 飼料作物、シバ型草種、センチピードグラス、育苗法
背景・ねらい 北陸地域の放牧地では寒地型牧草の夏枯れによって草地更新年限が短いため、大型機械による更新作業が困難な急傾斜地等条件不利地においては、省力的管理で持続性の高い草種が求められている。近年、西南暖地等ではこれに対応するものとして、シバ型放牧草地が造成されているが、積雪地帯である北陸地域に適する草種や早期造成技術は不明である。そこで、北陸地域の気候に適し、造成速度の早いシバ型草種を選定するとともに、セル苗を6月上旬移植するための園芸用セルトレイを利用した育苗法として、育苗開始時期およびリン施用量を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
6月上中旬にシバ型草種3草種の苗を移植すると年内被度は、センチピードグラス及び  カーペットグラスが急速に増加し、越冬前にノシバの2.5~4.0倍となる(図1)。
2.
翌年4月の被度は、センチピードグラス及びノシバが越冬前に比べ増加するが、カー  ペットグラスは枯死し越冬性がない(図1)。
3.
5月上旬にガラス室でセル育苗を開始したセンチピードグラスは、4月上旬開始苗に比  べて出芽速度が約2倍早く、平均出芽日数が約9日短い。また、育苗開始時期によって  分げつ数に差はなく、苗欠損率は5月上旬開始苗が低い(表1)。
4.
5月上旬開始苗の移植後冠部被度は、4月上旬開始苗に比べ、移植1ヶ月後は低いもの  の、4ヶ月後にはほとんど差がみられない(表2)。
5.
基肥NPK各25mg/セルに、過リン酸石灰0~75mg/セル追加施用の出芽や乾物重へ  の明確な効果は認められない(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
北陸地域のシバ型放牧草地(標高50~400m)の早期造成に活用できる。
2.
移植後の干害防止と定着促進のため、梅雨入り時期(北陸地方平年6月10日頃)の6月  上旬に移植する。
3.
センチピードグラスの出芽適温は約30度であり、ビーニールハウス等を利用して保温  する場合、35度以上の高温時には換気や灌水に留意する。
4.
移植前の苗は、灌水を徐々に減少~停止するとともに、外気に慣らすことで移植地の  自然条件への適応力を高める。
図表1 217640-1.gif
図表2 217640-2.gif
図表3 217640-3.gif
カテゴリ 育苗 寒地 傾斜地 飼料作物

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