タイトル | 近赤外分析でのサイレージ中無機成分含量の推定 |
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担当機関 | 茨城畜セ |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
深沢芳隆 矢萩久嗣 御幡寿 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 近赤外分析でのサイレージ中無機成分含量の推定 |
キーワード | |
背景・ねらい | 近赤外分析法は迅速に成分含量を測定できるため粗飼料の一般成分の推定に広く用いられている。しかし無機成分の推定については無機物が水素原子等に関わる振動を持たないこともあり、あまり実用化されていない。通常無機成分を分析する際、乾燥・粉砕試料を灰化、酸溶出、希釈後分析を行うが、これら一連の作業は煩雑であり、農家へ迅速に分析結果を送付するうえでの障害となっている。本試験では汎用機種(波長固定型)による近赤外分析でのサイレージ中無機成分含量の推定を試み、またその中で特に推定精度の劣る項目で、推定精度向上のための手法について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 検量線の作成にトウモロコシサイレージ57点(トウモロコシ-ソルガム混播サイレージ2点を含む)、牧草サイレージ47点(稲発酵粗飼料27、オーチャードグラス3、ソルガム7、ギニアグラス1、イタリアンライグラス6、麦3)、サイレージ全体で104点、検量線の検定には同37点(トウモロコシ-ソルガム混播サイレージ2点を含む)、35点(稲発酵粗飼料15、オーチャードグラス7、ソルガム3、イタリアンライグラス10)、72点の1mm粉砕試料をそれぞれ用い、InfraAlyzer 2000 Universal型(19波長)を用い、Ca、P、K、Mgについて検量線の作成及び検定を行ったところ、検定結果においてPを除く項目で化学分析値との重相関係数は0.6以上である(表1)。 2. EI法による判定ではサイレージ全体におけるCaがB(実用性が高い)であり,他の検量線はC(実用性が中程度)かD(実用性が低い)である(表1)が、近赤外推定値は標準飼料成分表の当該草種・サイレージの値より化学分析値に近い場合が多い(図1)。 3. トウモロコシサイレージのP含量において、「サイレージ全体」の検量線を用いても推定精度の向上は認められないが、(P含量+Mg含量)の検量線での推定値とMg含量のそれからP含量推定値を算出することによりやや推定精度が高まり、その傾向は低含量域で顕著である(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 無機成分の検量線を作成する際の知見となる。 2. 近赤外分析法で無機成分含量を推定することにより、フォレージテストに要する時間が短縮でき、農家に迅速に結果を返送できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | イタリアンライグラス 乾燥 近赤外分析 ソルガム とうもろこし トウモロコシサイレージ 汎用機 |