トルコギキョウの抑制栽培における稚苗定植技術

タイトル トルコギキョウの抑制栽培における稚苗定植技術
担当機関 長野野菜花き試
研究期間 2000~2004
研究担当者 宮本賢二
山本宗輝
荒井好郎
発行年度 2004
要約 トルコギキョウの抑制栽培では、適品種を選定し、10℃で4~5週間の吸水種子低温処理後育苗日数2週間の稚苗を定植すると、切り花品質が向上する。
キーワード トルコギキョウ、抑制栽培、稚苗定植
背景・ねらい トルコギキョウの抑制作型では、冷房育苗等ロゼット化を回避する手法で、安定的な生産が行われている。しかし、この作型における販売単価は低下傾向にあり、より低コストな栽培技術が求められている。一方、直播き栽培は、本来の根の生育である直根性を保つことで品質向上が望めるが、は種後の栽培管理には熟練を要しあまり普及に至っていない。そこで、従来の育苗の利点と直播きの利点を融合させることで、低コストで安定的な栽培が可能になる吸水種子低温処理(以下種子冷)と組み合わせた稚苗定植法を検討した。
成果の内容・特徴 1.
10℃の冷蔵庫で4~5週間種子冷を行った育苗日数別定植時の苗の生育ステージは、2週間区:子葉展開期、4週間区:本葉1対葉肥大期、8週間区:本葉2対葉完全展開期である。
2.
種子冷により、育苗時の生育が1週間程度早まるとともに、定植後のロゼット化株の発生が抑制される(表1、2)。
3.
定植からの到花日数は育苗日数が短いほど長くなるが、は種からの到花日数は育苗日数が短いほど短くなる傾向がある。2週間区では8週間冷房育苗区よりも2~4週間生育が促進する(表1、2)。
4.
切り花品質は、育苗日数が短いほど優れる(表1、2)。
5.
地下部の形態は、育苗日数が短いほど直根率が高くなり、8週間区では全て岐根状態である(表2)。
6.
4週間種子冷後常温下で2週間育苗した稚苗定植法で48品種を供試し、ロゼット発生株率を冷房育苗区と比較検討し、適応品種を選定した。「つくしの羽衣」「つくしの雪」「エクローサグリーン」「スピカレッド」「パピオンローズピンク」「あすかの吹雪」「オリオンセレナーデ」及び「ハレーファンタジー」が適する(表3)。
成果の活用面・留意点 1.
定植時の培地の形状を保持するため、固化培土の利用が実用的である。
2.
種子冷は、吸水させたセルトレイの培土には種してからポリ袋等で被覆し、湿潤状態を保ちながら、冷蔵庫で処理を行う。
3.
従来の冷房育苗に比べ開花が前進するため、目標とする採花期を目指した作型組み立てが必要である。
4.
定植後は、適正な潅水管理に心掛け、状況に応じ遮光等を併用し活着を促す。
5.
定植後、本葉3対葉展開期を向かえたら4週間を目安に短日処理を行う。
図表1 217694-1.gif
図表2 217694-2.gif
図表3 217694-3.gif
カテゴリ 育苗 栽培技術 低コスト トルコギキョウ 品種 水管理

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