ホールトマト向き加工用新品種候補「トマト桔梗交36号」

タイトル ホールトマト向き加工用新品種候補「トマト桔梗交36号」
担当機関 長野県中信濃農業試験場
研究期間 1999~2004
研究担当者 矢ノ口幸夫
松永 啓
村山 敏
岡本 潔
発行年度 2004
要約 「トマト桔梗交36号」は心止まり性で、ジョイントレス果柄を有し、果実が硬く、裂果が少なく、剥皮後の果実外観が優れ、ホールトマトの原材料生産に適する。
キーワード 加工用トマト、心止まり性、ホールトマト、剥皮性、ジョイントレス果柄
背景・ねらい 缶詰トマトの輸入が多い中で、国産原料によるホールトマトの需要も堅調である。しかし、ホールトマト向きに国内で育成された品種は、育成元の都合によりその採種がうち切られ、実需者から新たなホールトマト用品種の育成が要望された。そこで、果柄に離層が発達しないジョイントレス果柄、裂果抵抗性、圃場貯蔵性を有し、ホールトマトとしての剥皮性、剥皮後の果実外観が優れることを育種目標として育種を開始する。
成果の内容・特徴
1.育成経過
「トマト桔梗交36号」は、「とまと中間母本農6号」と「93PLF3」との交雑後代から育成した「PLS2-50-4-3-2-m」を種子親とし、「しょうほう」と「NDM051」との交雑後代から育成した「T96110-1-1」を花粉親とした一代雑種である(図1)。2002~2004年度に特性検定試験及び系統適応性検定試験を実施した結果、収量性、果実硬度、剥皮後の果実外観等が優れたことから、ホールトマト向き実用品種として有望である。
2.特性
  1. 草姿は“心止まり性”で、開張度は狭く、草型は“やや立性”で枝分け作業が必要である(表1)。
  2. 果柄は離層がないジョイントレス果柄である(表1)。
  3. 早晩性は“中早生”で、収量は「なつのこま」より多い。裂果率は「なつのこま」及び「カゴメ81」と同等に低い(表1)。
  4. 病害抵抗性は、萎凋病レース1と半身萎凋病レース1に抵抗性である(表1)。
  5. 果実は65g程度の腰高球で、硬く、ゼリー率は低い(表2)。
  6. 果汁の色調は中程度で、果汁糖度及び酸度は「なつのこま」より低く、「カゴメ81」と同等、リコペン含量は「なつのこま」、「カゴメ81」より多い(表2)。
  7. 剥皮の難易は中程度であるが、剥皮後の外観は優れる(表2、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 中部地方以北における手取り収穫による露地無支柱栽培に適し、ホールトマト加工原料として高い適性を示し、ケチャップ等の加工原料にも適する。
  2. 開花最盛期頃の草姿がやや立性であるので、枝分け作業を早めに行い、着果を促進させる。
図表1 217725-1.gif
図表2 217725-2.gif
図表3 217725-3.gif
図表4 217725-4.jpg
カテゴリ 育種 加工 新品種 抵抗性 トマト 病害抵抗性 品種

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