採種性の優れる疫病抵抗性台木用ピーマン新品種候補「試交0023」

タイトル 採種性の優れる疫病抵抗性台木用ピーマン新品種候補「試交0023」
担当機関 長野中信農試
研究期間 2000~2004
研究担当者 矢ノ口幸夫
松永 啓
村山 敏
岡本 潔
発行年度 2004
要約 ピーマン「試交0023」は母親に雄性不稔系統を用いた採種効率が優れるF1雑種で、疫病及びToMVに抵抗性を有し、ピーマンの台木として利用できる。
キーワード ピーマン、台木、雄性不稔性、疫病抵抗性、ToMV抵抗性
背景・ねらい ピーマンの栽培では、疫病の発生が大きな問題になっている。現在、疫病抵抗性台木として「ベルホマレ」が広く利用されているが、ピーマンは採種効率が悪く採種農家が減少しているため、十分量のF1品種の育種を開始する。
成果の内容・特徴 1.
育成経過
「試交0023」は、「ピーマン中間母本農1号」を子房親とし、「ベルホマレ」の花粉親系統である「N-1-1」を花粉親としたF1雑種であり、ピーマンの台木用品種として利用できる。
2.
植物体特性
1)
早性は“早生”で、草丈は「ベルホマレ」より低く、分枝開張性は“中間”で、花は白く大きい(表1、図1)。
2)
果形はベル形で「ベルホマレ」に似ているが、「ベルホマレ」と比べ、やや小さく種子数が少ない(表1、図1)。
3)
病害抵抗性は、疫病及びToMV(tobamovirus pathotype P表1)。
3.
台木特性
「試交0023」を台木に用いた場合の接ぎ木適応性を見ると、接ぎ木の活着率は93%で高く、「ベルホマレ」台と比べ、開花日、草丈、総収量は同等で、上物収量及び上物率は優れる(表2)。
4.
子房親に雄性不稔性系統の「ピーマン中間母本農1号」を用いているので、種子生産における除雄・摘花作業が軽減できる。
成果の活用面・留意点 1.
病回避を目的とするピーマン接ぎ木栽培の台木に適する。この場合、穂木品種はtobamovairus抵抗性遺伝子としてL1を持つ品種を用いる。
2.
疫病は穂木に直接感染することがあるので、土耕栽培では水や泥の跳ね上げを防止するためマルチングを行う。
3.
枯病に抵抗性を持たないため、青枯病の発生地では利用しない。
4.
果実は果表面がやや乱れるので、生食用に不向きである。
図表1 217726-1.gif
図表2 217726-2.jpg
図表3 217726-3.gif
カテゴリ 青枯れ病 育種 新品種 台木 接ぎ木 抵抗性 抵抗性遺伝子 ピーマン 病害抵抗性 品種

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