飼料イネWCSを積極的に購入する酪農家の意向の特徴

タイトル 飼料イネWCSを積極的に購入する酪農家の意向の特徴
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2004~2008
研究担当者
発行年度 2004
要約 飼料イネWCSの利用に積極的な酪農家は、助成金等の短期的視点だけでなく、長期的視点でのメリットや経営改善効果利用を期待している。それら効果を技術的側面から構築し、関係機関を通じて情報提供していくことが利用の拡大に向けて重要となる。
キーワード 飼料イネ、酪農家、経営改善、意向
背景・ねらい 飼料イネWCS(以下、飼料イネ)の利用を進めるには、どのような意向の農家が積極的に購入しているかを把握することが重要である。そこで、実際に飼料イネを利用した経験のある埼玉県の11戸の酪農家にアンケート調査を実施し、「飼料イネ栽培農家や圃場条件・生育情報獲得の有無」、「その情報の入手先」、「クレーム提示の有無」、「飼料イネを利用する契機」、「飼料イネ利用の開始理由」の整理を通じて、定着条件を分析する。
成果の内容・特徴 1.
調査対象の酪農家は、飼料イネの購入実績から、「飼料イネの購入量を増加させている農家、及び、地域の取り組みを見聞きしつつ、数年経た後に新たに購入を開始したグループ(以下、増加グループ)」(5戸)と「購入数量が減少あるいは増加していないグループ(以下、減少グループ)」(6戸)に区分できる。前者は、平均購入数量が多く(表1)、また、飼料イネの品質に対する評価も相対的に高い(図1)。一方、成牛頭数規模と購入数量をみると、後者の減少グループでは、規模と購入数量に関係性はない(図2)。
2.
増加・減少グループともに、半数以上の農家が、飼料イネを栽培する耕種農家や圃場を知っているが、「具体的な生育情報」は、増加グループで得ているものが多い。それら情報は普及センターや農協といった関係機関からである。飼料イネは、事前に生育情報(収量の予想、雑草の状況等)の提示が可能であり、それら情報を提示していることで、増加グループからのクレームはない(表1)。
3.
飼料イネの利用開始の契機は、関係機関の勧めによるが、減少グループはそれを「助成金」をとするものが大半を占めている。一方、増加グループでは、助成金の利用は契機にはない(表2)。
4.
5.
以上を考慮すると、酪農家の利用を図るには、関係機関による情報提供等が重要である。また、酪農家に対して、飼料イネ利用の誘因として、助成金といった短期的な視点でのみはなく、長期的な視点でのメリット(例:耕畜連携に伴うシナジー等)や経営改善効果を技術的側面から構築し具体的に提示していくことが重要である。
成果の活用面・留意点 1.
酪農家への飼料イネ利用を図る上での参考となる。
2.
埼玉県の11戸の酪農家の調査結果という限定がある。
3.
増加グループの意向については、より詳細な追加的調査が必要である。
図表1 217798-1.gif
図表2 217798-2.gif
図表3 217798-3.gif
図表4 217798-4.gif
カテゴリ 病害虫 経営管理 雑草 乳牛

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