タイトル | 小麦品種「ニシノカオリ」の奨励(推奨)品種採用 |
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担当機関 | 三重科技 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
村上高敏 宮本啓一 神田幸英 北野順一 中山幸則 山川智大 児玉幸弘 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 高タンパク質含量で製粉歩留が高く、菓子パン適性が高い、耐倒伏性に優れる硬質の小麦品種「ニシノカオリ」を奨励(推奨)品種に採用する。 |
キーワード | 小麦、硬質、菓子パン適性、ニシノカオリ、奨励品種 |
背景・ねらい | 三重県の小麦は水田転作の基幹作物として作付けされており、その生産量は近年の転作強化に伴い急増している。一方で、県産小麦の過半を占める主力品種「農林61号」の需要は大きく増えておらず、需給不均衡が発生している。このため、製麺用主体の「農林61号」とは用途の異なる小麦品種導入が強く求められてきた。 そこで、新たな需要が見込める「ニシノカオリ」を導入することにより需給均衡が図れ、県産麦の振興に貢献する。 |
成果の内容・特徴 | 「農林61号」と比較して、次の特徴がある。 1. 出穂期は3日程度、成熟期は2日程度早い(表1、表2)。 2. 稈長は4cm程度短く、耐倒伏性が高い(表1、表2)。 3. 穂長は短く、穂数はやや少ないため、収量は20%程度低い(表1、表2)。 4. 千粒重は同程度である(表1、表2)。 5. 原粒の粗タンパク質含量は2%程度高い(表1、表2)。 6. 製粉歩留が高く、菓子パン適性が高い(表3、表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 中南勢地域の肥沃な排水性の良い土壌地帯を中心に1,000ha程度を目標に普及させる。なお、学校給食用コッペパンの原料として200t程度利用予定である。 2. 各試験は「農林61号」の施肥体系で実施しているため、栽培にあたっては増収および高タンパク質化のための窒素施肥を実施する必要がある。 3. 赤かび病抵抗性および穂発芽性が「中」のため適期防除、適期収穫に努める。 4. 現地試験においてコムギ縞萎縮病の罹病例が確認されており、常発地での栽培には留意する。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 病害虫 萎縮病 小麦 水田 施肥 抵抗性 排水性 品種 防除 |