タイトル | ネギ平床移植機の開発と苗調整法 |
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担当機関 | 井関農機 |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
岩崎泰史 関口明男 岡安正 村並昌実(井関農機) 勝野志郎(井関農機) 木下榮一郎(井関農機) |
発行年度 | 2005 |
キーワード | ネギ、移植機、平床栽培 |
背景・ねらい | 深谷市を中心とする県北のネギ産地において、湿害回避や生育揃いの向上を目的に、植え溝を作らずに穴をあけてネギを植え付ける、平床栽培が急速に普及している。 しかし、現行の平床栽培の移植作業は、ほとんどが手作業で行っており、移植作業の効率化が大きな課題となっている。そこで、平床栽培のメリットを生かしつつ、現行の植え付け作業を大幅に改善できる平床栽培用の移植機を開発するとともに、移植機に適した苗調整法を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 平床移植機は、全長2.1m、全幅1.2m、全高1.0mとコンパクトで、軽トラックに積載できる大きさである(図1、表1)。 2. 移植様式は条間3cmの2条千鳥植え、株間5~8cm、植え付け深さ10~12cm、トレッド幅は80~100cmの範囲で調節が可能、a当たり3,000~5,000本の植え付けに対応できる(表1)。 3. 移植方法は、(1)ホッパー(図1植え付け部参照)が最上部に達した時点で苗を充填し、(2)苗を抱えたホッパーが耕耘した土中に打ち込まれ、(3)ホッパーが最下部で進行方向に対し直角に開き、(4)ホッパーの隙間から周辺の土が寄ってきてネギが固定され、(5)ホッパーが土中から抜かれ最上部で次の苗を充填する。 4. 移植に適した苗の調整は、太さ4~20mm、調整長25~30cm、葉の広がり7cm以内とする。これにより、植え付け精度は95%以上で、植え付け苗姿勢も、移植部と連動して動く姿勢修正ゴムの装着により直立性が向上する(図1、図2)。 5. 実際場面での移植能率は、作業者の人数・熟練度により異なり、1時間当たり1人作業で約3,000本、2人作業で約4,000本の植え付けが継続可能な本数である。これは、現行の手植えに比べ、1人作業で2.7倍、2人作業で1.9倍に相当する(表1)。 6. 移植機利用により、移植作業時の改善が必要とされる作業姿勢割合を、OWAS法により比較した場合、全体で現行手植えの1/10まで削減できる(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 開発した平床移植機は、全国の根深ネギ産地で利用が可能であり、井関農機株式会社から2006年2月の販売(88.5万円)が予定されている。 2. 平床栽培は溝植え栽培に比べ浅植えになり、土寄せ作業が1~2回多くなるため、畝間を90cm以上にする必要がある。 3. 調整基準より大きい苗、曲り苗、枯れ葉の多い苗等は機械の構造上移植精度が落ちる。 4. 極端な砂地では、土の寄りが悪くなり移植精度がやや落ちる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 湿害 ねぎ |