タイトル | 緑茶飲料残さ給与による鶏の免疫増強・ストレス抑制効果 |
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担当機関 | 静岡中小試 |
研究期間 | 2004~2005 |
研究担当者 |
岩澤敏幸 池谷守司 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 飼料に緑茶資材を添加して地域特産鶏(駿河若シャモ)に給与すると、免疫増強効果・ストレス抑制効果が認められる。また官能試験においても評価が高く、高付加価値肉用鶏生産技術として利用できる。 |
キーワード | 駿河若シャモ、緑茶、免疫増強、ストレス抑制、付加価値 |
背景・ねらい | 近年の、BSEの発生・畜産物の偽表示、さらには高病原性鳥インフルエンザ等により消費者の「安全・安心」に対するニーズはかつてないほどの高まりをみせている。そのような中、天然素材により免疫増強等を図り健康な鶏を生産する技術の確立が養鶏関係者から要請されている。そこで、静岡県の特産物であり、抗酸化作用や免疫増強効果が知られている緑茶を活用することによる特別飼育技術の確立に向け、緑茶の飼料添加による効果につき検討する。今回、特に茶業界から有効利用の要望が強い未利用資源である緑茶飲料残さに取り組む。 |
成果の内容・特徴 | 1. 試験区として、緑茶飲料残さ(3%)添加区(以下緑茶区)及び抗菌性物質<サリノマイシン50mg力価/kg、エンラマイシン10mg力価/kg>添加区(以下抗菌区)と無添加の対照区を設け、各区50羽につき初生ヒナから120日齢まで飼育する。その結果、経済性(育成率・増体・飼料要求率・解体成績)において有意差は認められない。<表1> 2. T細胞依存性液性免疫効果の指標である羊赤血球凝集抗体価では、緑茶区、抗菌区において抗体ピークが高く対照区との間に有意差が認められる。<図1> 3. カンピロバクター菌排菌抑制効果調査では、試験終了4週間前のカンピロ平均排菌数で、緑茶区は他区よりも少なく、試験終了時における空回腸内における細菌数では、緑茶区と抗菌区が同程度であり、対照区の約100分の1である。また、盲腸内菌数では、緑茶区と対照区の間に有意差が認められる。<表2> 4. ストレス抑制効果の一指標である、血液中のH/L比を調査した結果、ストレス負荷を掛けた抗菌区及び対照区に比べ緑茶区においてH/L比が低く、ストレスの抑制傾向が示された。抗菌区及び対照区とストレスを掛けない非ストレス区の間に有意差が認められる。<表3> 5. 1662人を対象に二者択一方式によるアンケート調査を実施したところ、どちらが美味しく感じたかの質問に対し、緑茶区と答えた者が56%、対照区が44%と有意な差を認める。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 成果を県内駿河若シャモ生産農家に普及し、緑茶添加による付加価値生産を推進する。 2. 緑茶飲料残さについては、乾燥方法などにより成分に差がでるため、使用に際して事前の分析等が必要である。 3. 緑茶飲料残さ多給は発育に影響を及ぼすため添加量3%以内を厳守する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 高付加価値 飼育技術 茶 鶏 羊 未利用資源 |