ニホンナシ「幸水」の高齢樹における葉数確保に有効な短果枝の摘芽・摘蕾技術

タイトル ニホンナシ「幸水」の高齢樹における葉数確保に有効な短果枝の摘芽・摘蕾技術
担当機関 富山農技セ
研究期間 2004~2004
研究担当者 徳満慎一
発行年度 2005
要約 ニホンナシ「幸水」において、短果枝の形態に応じて摘芽・摘蕾方法を使い分けることで、葉数を効果的に増加させることができる。
キーワード ニホンナシ、幸水、短果枝、摘芽、摘蕾、葉数
背景・ねらい 富山県のニホンナシ産地の主力品種である「幸水」は樹齢の経過に伴い、生産力の低下が目立ってきている。高齢樹では、新梢の発生が少なく短果枝の着生が多くなり、葉数が少なくなることが生産力低下の一因となっている。そこで、短果枝の形態による摘芽・摘蕾方法と葉数増加との関係を解明し、葉数確保に効果的な摘芽・摘蕾技術を開発する。

成果の内容・特徴 1.
摘芽は花芽を除去する方法とし、摘蕾は、上向きの蕾を除去する芽たたき摘蕾と、花芽の蕾を全て除去する全摘蕾とする(表1)。
2.
摘芽・摘蕾作業は、短果枝の形態により3つのタイプに分類して実施する(表2)。
3.
新梢が数センチ伸長し、先端に花芽が複数着生した短果枝(タイプ1)では、頂芽の花芽をひとつ残し、腋芽の花芽を摘芽する方法(摘芽区)が、摘芽した果台部分からの不定芽が動き出し、葉数増加に最も有効である(図1)。
4.
新梢が数センチ伸長し、先端1芽および腋芽が花芽である短果枝(タイプ2)では、腋芽の花芽を摘芽することで葉数が減少する。よって、摘芽をせずに、先端の花芽に芽たたき摘蕾をし、腋芽の花芽に全摘蕾をする方法(全摘蕾+芽たたき摘蕾区)が、不定芽が動き出し葉数増加に有効である。
5.
新梢がほとんど伸長せず、花芽1芽である短果枝が複数着生した短果枝群(タイプ3)では、大きな花芽ひとつに芽たたき摘蕾をし、それ以外の花芽に全摘蕾をする方法(全摘蕾+芽たたき摘蕾区)が、定芽と不定芽が動き出し葉数増加に最も有効である。しかし、作業の効率性等を考慮した場合、大きな花芽をひとつ残し、それ以外の花芽を摘芽する方法(摘芽区)も有効である。

成果の活用面・留意点 1.
「幸水」の生産力向上対策の一環である葉数増加の手法として活用できる。
2.
本成果は、42年生の樹において、満開13日前の処理により得られた結果である。
3.
当該樹でのタイプ別短果枝割合は、タイプ1が25%、同2が20%、同3が55%であり、多用される摘芽・摘蕾方法は全摘蕾+芽たたき摘蕾となる。
図表1 218029-1.gif
図表2 218029-2.gif
図表3 218029-3.jpg
カテゴリ 品種

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