タイトル | 初夏どり向きの高品質レタス「長・野35号」の育成 |
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担当機関 | 長野野花試 |
研究期間 | 1998~2005 |
研究担当者 |
土屋宣明 芹沢啓明 重盛 勲 清水時哉 宮坂幸弘 臼井冨太 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 「長・野35号」は、根腐病と斑点細菌病に対する耐病性に優れ、商品性に優れた初夏どり向きの新品種である。 |
キーワード | レタス、根腐病、斑点細菌病、初夏どり |
背景・ねらい | 長野県のレタスは全国一の栽培面積(平成16年;6080ha)で、標高500~1300mにかけて5月中旬から9月収穫までの連続した栽培・収穫が行われている。このうち6~7月収穫の初夏どりは、全体の約30%を占める重要な作期であるが、病害や商品性などに問題がある。そこで、平成7年初発の根腐病をはじめ、斑点細菌病や腐敗病などの病害抵抗性を有し、結球特性や形状などの商品性の高い品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 育成経過 「長・野35号」は、初夏どり作型で普及している市販の「Vレタス」由来で、当場選抜育成したD185と、当場育成で晩抽性の育成系統D191を平成10年に交配し、以後場内と現地において選抜育成してきた系統で、根腐病、斑点細菌病に対する耐病性と初夏どり作期での商品性に優れている。 2. 特性 1) 葉色は緑色~濃緑で、葉面の光沢はやや多く、「シナノフレッシュ」と同等で「Vレタス」より多い。葉縁の切れ込みは「中」で、「Vレタス」と「シナノフレッシュ」より深い。葉縁の波打ちは「少」であり、「Vレタス」と「シナノフレッシュ」と同等で ある(表1)。 2) 早晩性は、「Vレタス」、「シナノフレッシュ」より晩生である。抽だい性は、「Vレタス」と同等で、「シナノフレッシュ」より抽だいが早い(表1)。 3) レタス根腐病レース1に対する耐病性は、「シナノフレッシュ」より優れ「Vレタス」と同等である(表3)。また、斑点細菌病に対する耐病性は「Vレタス」より優れる(表4)。 4) 商品性は、球底が広く箱詰め時の外観が「Vレタス」より優れる(表2)。収穫適期期間は 「Vレタス」より長い(データ略)。欠点として、多肥条件下で栽培すると球がやや甲高になるので注意する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 適地は、長野県下寒地、寒冷地のレタス産地(但し根腐病レース2発生圃場を除く)で、栽培予定面積は100haである。 2. 栽培上の注意として、施肥量を「Vレタス」栽培時より1~2割減肥する。その他一般的な栽培基準は「Vレタス」に準ずる。 3. 平成18年3月品種登録申請予定。 4. 種子は長野県の規程により、当面は長野県内販売を優先する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 寒地 新品種 施肥 根腐病 病害抵抗性 品種 レタス |