関東・信越及び周辺地域の水田転換畑におけるダイズシストセンチュウ発生状況

タイトル 関東・信越及び周辺地域の水田転換畑におけるダイズシストセンチュウ発生状況
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2000~2004
研究担当者 相場 聡
発行年度 2005
要約 関東・信越及び周辺地域のダイズ栽培水田転換畑計78地点を調査した結果、千葉、岐阜以外の各県でダイズシストセンチュウの存在が確認でき、特に長野、新潟及び従来は発生が知られていなかった富山県での発生頻度が高い。
背景・ねらい ダイズシストセンチュウはダイズ栽培における主要な難防除害虫の1つであり、従来は田畑輪作による湛水処理がその対策として有効とされていたが、近年になって水田転作作物としてのダイズの栽培面積が増加するのに伴い、新たな被害の発生が報告されている。本線虫の被害拡大の要因解明のためには、水田転換畑での発生状況の把握が必要不可欠であるため、関東・信越及び周辺地域の水田転換畑における本線虫の発生状況を調査・解明する。

成果の内容・特徴 1.
茨城、千葉、栃木、群馬、埼玉、新潟、富山、長野、岐阜の9県のダイズ栽培水田転作畑計78地点から土壌を採集し、ふるい分け法によって本線虫のシストを分離したところ、27地点で存在を確認し、広範囲で発生が認められる(図1)。
2.
線虫の検出頻度は、新潟、富山、長野の3県で高い。富山県は普通畑を含め、これまで本線虫の発生報告がなかったが、県内の広範囲で発生が認められる。
3.
検出された線虫の密度は全般的に低いが、一部に高密度の圃場も認められる。
4.
密度の高かった茨城及び新潟の2個体群について寄生性を調査したところ、いずれもレース3と判別され、国産抵抗性品種に対する寄生性も低い(表1)。

成果の活用面・留意点 1.
水田転換畑におけるダイズシストセンチュウ分布拡大要因解明のための基礎資料となる。
2.
一般的に田畑輪換は線虫密度を抑制するが、潜在的に線虫が存在している畑が多く、一部には高密度の畑も確認されたため、転換畑においても本線虫の密度に留意することが重要である。
図表1 218191-1.gif
図表2 218191-2.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 水田 大豆 抵抗性品種 防除 輪作

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