タイトル | 微生物資材の飼料添加による肥育豚の免疫増強効果 |
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担当機関 | 三重科技セ |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
巽俊彰 市川隆久 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 乳酸菌等を含有する微生物資材を肥育前期配合飼料に0.2%添加して肥育豚に給与すると、細胞性免疫増強効果が示唆される。 |
キーワード | 微生物資材、肥育豚、乳酸菌、細胞性免疫 |
背景・ねらい | 畜産物の安全性に対する消費者の関心の高まりに対応した抗菌性物質無添加飼料の長期給与による豚肉生産が要望されているが、飼養管理技術が未確立なため、育成率の低下やと畜場での廃棄率の増加等が懸念されている。そこで、抗菌性物質に頼らない肥育豚飼養管理技術として、乳酸菌等を含有する微生物資材の飼料添加による肥育豚の免疫増強効果を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 体重30kg~70kgの肥育前期配合飼料給与期間において、乳酸菌等を含有する混合飼料である微生物資材(商品名:P-Bio2)を抗菌性物質無添加飼料に0.2%添加した飼料(微生物区)を雌3頭、去勢2頭で、抗菌性物質添加飼料(抗菌剤区)及び抗菌性物質無添加飼料(無添加区)を雌、去勢各3頭/区で、それぞれの飼料給与によるデュロック種に対する免疫増強効果および生産性を検討する。 1. 遅延型過敏反応を調べるために羊赤血球浮遊液の耳皮内接種による72時間後の腫脹部位面積を測定したところ、微生物区は抗菌剤区と同等で、無添加区に比べ有意に大きいことから、細胞性免疫増強効果が示唆される(図1)。 2. 市販ワクチンに対する抗体産生能を調べるためにMycoplasma hyopneumoniae(Mh)およびActinobacillus pleuropneumoniae(Ap)不活化ワクチンを試験開始0日及び21日目に筋肉内接種し、その抗体価を経時的に測定したところ、区間に差は認められない(図2、3)。 3. 肥育前期の前半4週間の増体重は、微生物区が抗菌剤区と同等で無添加区に比べやや重く、後半3週間では抗菌剤区には劣るものの無添加区に比べ重いことから、微生物区は無添加区に比べ有意差はないものの優れる傾向が認められる(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 増体重や飼料要求率等の生産性について、さらに詳しく検討する必要がある。 2. 抗菌性物質無添加飼料給与飼育を効果的に行うためには、一般衛生管理による病原体の除去・侵入防止、並びに適正な飼養管理によるストレスの低減を図る必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 飼育技術 肉牛 羊 豚 |