タイトル | 乳牛ふん尿の堆肥調製におけるコンテナバッグとエノキタケ廃培地の利用方法 |
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担当機関 | 長野畜試 |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
岸本剛 |
発行年度 | 2006 |
要約 | コーンコブを主体としたエノキタケ廃培地を1m3のフレキシブルコンテナバッグ(コンテナバッグ)に貯蔵すると発酵熱で乾燥できる。また、乾燥した廃培地は乳牛ふん尿の水分調整資材に活用でき、コンテナバッグで貯蔵すれば切り返しせずに堆肥化できる。 |
キーワード | 乳牛、家畜ふん尿、堆肥、フレキシブルコンテナバッグ、エノキタケ、廃培地 |
背景・ねらい | 中小規模酪農家はふん尿処理のための安価な水分調整資材の確保と簡易低コスト処理法の確立を強く望んでいる。一方、エノキタケ生産量全国1位の長野県では、収穫後の廃培地が安価な水分調整資材として期待されているが、高水分と悪臭発生のため利用が進んでいない。そこで、コンテナバッグとエノキタケ廃培地を活用した乳牛ふん尿の堆肥化技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. エノキタケ廃培地を乾燥するには、1m3のコンテナバッグに詰め込んで上部を開放し、風雨を避けて2ヶ月間静置すれば、従来の切り返し法と同様に乾燥し、切り返し法よりも臭気強度が低減される(表1)。 2. 乾燥したエノキタケ廃培地を乳牛ふん尿に混合して水分を70~75%に調製し、コンテナバッグに充填・静置すれば、オガクズによる水分調整と同様に、夏期は4ヶ月、冬期は6ヶ月で切り返しせずに堆肥化できる(表2)。なお、中心部の最高温度は夏期が60℃弱、冬期が50℃程度である。また、廃培地を混合した堆肥の成分は、オガクズの場合と比較してP2O5とCaOの濃度が高い(表3)。 3. バーンクリーナーがあるタイストール牛舎では、以下のような工夫でコンテナバッグへの投入作業の省力化が可能である(写真)。 ① 排せつふん尿と同容積のエノキタケ廃培地をあらかじめ尿溝に敷き詰めておく。 ② 尿溝をロストルで覆い、排せつされたふんが細かくなるようにする。 ③ バーンクリーナーの排出口で、荷受け時に資材を追加して水分調整する。 4. パレット上に置いたコンテナバッグを上下の遮水シート(被覆用は通気性あり)に包んで保管すると、特別な建物を必要とせず野外で処理できる(写真)。 5. 堆肥調製に必要な乳牛1頭当たりの年間材料費は、水分調整材を除く費用が65千円と試算される。また、水分調整材の購入費用は廃培地が30千円でオガクズの3割程度と試算される。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 中小規模酪農家の簡易ふん尿処理法として、あるいは補助的なふん尿処理法として活用できる。 2. バーンクリーナーの稼働時に過度の負荷がかからぬように、オガクズの添加量及び1日当たりのふん尿排出回数を調整する必要がある。 3. コンテナバッグは紫外線により劣化が促進する恐れがあるので、直射日光を避けて保管することが望ましい。また、耐用年数は安全を見込んで1年程度である。 4. 乾燥させる前のエノキタケ廃培地はコーンコブ主体のもので、前日~当日に培養容器から掻き出された新鮮なものを用いる。 5. エノキタケ廃培地はキノコの生産者により原料の配合割合が若干異なるため、用いる廃培地により生産堆肥の成分濃度が変化する。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
カテゴリ | えのきたけ 乾燥 くり 省力化 低コスト 乳牛 |