FISH法による堆肥中アンモニア酸化細菌の迅速な検出

タイトル FISH法による堆肥中アンモニア酸化細菌の迅速な検出
担当機関 富山畜試
研究期間 2004~2006
研究担当者 開澤浩義
丸山富美子
楠井隆史(富山県立大)
蓮沼俊哉
齋藤健朗
発行年度 2006
要約 堆肥等固形物に付着するアンモニア酸化細菌は、サンプルの粉砕、振とうおよび超音波分散の前処理を行うことにより、液体中の特定菌の検出に用いられるFISH(Fluorescent In Situ Hybridization)法で迅速に検出できる。
キーワード FISH法、アンモニア酸化細菌、堆肥
背景・ねらい 家畜ふん堆肥舎に付設する効率的な生物脱臭槽を開発する場合、充填する脱臭資材の能力を評価するため、アンモニア酸化細菌数の迅速な把握が重要となる。しかし、堆肥等で用いられる従来のMPN(最確数)法では検出に約1ヶ月間と長期間を要する。一方、最近、下水処理分野では液体中の特定菌の迅速な検出にAmannらのFISH法が用いられているが、堆肥等固形脱臭資材への適用については不明である。そこで、堆肥中に付着する菌を液体に回収してからFISH法でアンモニア酸化細菌を検出する手法を開発し、脱臭資材として用いたスギ林地残材への利用可能性について明らかにする。

成果の内容・特徴 1.
本法は、FISH法の前処理として、サンプルの粉砕と振とう(リン酸緩衝生理食塩水:PBS添加)を行うとともに、細胞固定後の超音波分散処理により、固形物に付着する菌(以下、菌)を液体に回収して検出および計測する手法(図1)である。
2.
堆肥の粉砕粒度は1mm以下、振とう時間が10分で、PBSへの菌回収率が高い(図2)。
3.
菌は塊状になっている場合が多いが、細胞固定後に超音波発生装置で1分間処理することにより分散し、顕微鏡下で観察しやすい(写真1)。
4.
本法を用いることで、堆肥および脱臭後のスギ林地残材に付着するアンモニア酸化細菌および全菌(DAPI染色陽性細胞)数を計測できる(表1)。

成果の活用面・留意点 1.
本法は約2日でアンモニア酸化細菌数を計測可能で、生物脱臭資材の同菌優占度等の迅速な能力評価が可能となり、持続的かつ省力的脱臭槽の開発に活用できる。
2.
測定に供試するサンプル量はよく縮分したものを10g以上用いる。また必要な機材は蛍光顕微鏡、超音波発生装置、インキュベーター等である。
3.
本法では、培養条件の影響がないFISH法で、ほとんどの種類のアンモニア酸化細菌菌を検出できるプローブを利用すること等から、MPN法に比べて同菌数が多く計測される。
4.
今回の資材以外については、粉砕処理法、振とう時間および超音波処理時間の条件について考慮する。

図表1 218312-1.jpg
図表2 218312-2.jpg
図表3 218312-3.gif
図表4 218312-4.gif
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