タイトル | ナギナタガヤ草生栽培は傾斜地カンキツ園のリン流出量を削減できる |
---|---|
担当機関 | 静岡柑橘試 |
研究期間 | 2005~2007 |
研究担当者 |
山家一哲 杉山泰之 高橋和彦 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 傾斜地カンキツ園にナギナタガヤ草生栽培を導入すると、降雨時の表面流出水量が減少し、懸濁態として流出するリンの量を削減できる。 |
キーワード | 草生栽培、懸濁態リン、ナギナタガヤ、表面流出水、ウンシュウミカン |
背景・ねらい | 降雨時における清耕栽培(裸地)の傾斜地カンキツ園からの懸濁態リン流出は、湖沼・内湾の水質汚濁に係る面源負荷として問題になっている。一方、土壌流亡軽減効果が認められている草生栽培は、土壌粒子に吸着される肥料由来のリンの流出削減にも効果があると推定される。そこで、ナギナタガヤ草生栽培によるリン流出削減効果を実証する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 清耕栽培(裸地)の傾斜地カンキツ園の全面にナギナタガヤ草生栽培を導入することにより、降雨時の表面流出水量を清耕栽培(裸地)の14%程度に削減できる。草生面積を全体面積の下端部1/4とした場合(部分草生)も、清耕栽培の30%程度に削減できる(図1)。 2. ナギナタガヤ草生栽培は、降雨時に流出する懸濁態リンの量を清耕栽培の9%程度に削減し、部分草生でも清耕栽培の23%程度に削減できる(図2)。 3. ナギナタガヤの生長の著しい4月以降に、リン流出削減効果は大きくなる。特に、倒伏して地表面を覆った6月以降の効果が大きい(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 強粘質で孔隙の少ない赤黄色土からなる、傾斜が5~15度の傾斜地カンキツ園に適用できる。 2. ナギナタガヤを9月に播種し草生栽培導入1年目の調査結果である。 3. 年間施肥量が、10a換算でN28kg、P2O523.5kgであり、可給態リン酸が47~78(mg/100g)の園地における調査結果である。 4. 降雨時の表面流出水量及びリン流出量は、傾斜地カンキツ園に設置した無底ライシメーター(図4)によって、測定されたものである。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 温州みかん 傾斜地 施肥 播種 その他のかんきつ |