タイトル | ニホンナシ「あきづき」の短果枝着生を目的とした結果枝育成法 |
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担当機関 | 富山農技セ |
研究期間 | 2005~2006 |
研究担当者 |
関口英樹 徳満慎一 |
発行年度 | 2006 |
要約 | ニホンナシ「あきづき」において短果枝の着生した結果枝を育成するには、主枝・亜主枝から発生した新梢を7月に夏季誘引して予備枝候補とし、翌年、100cm以上の予備枝には切り返しを加えて誘引し6~7月に摘心処理を行い結果枝を育成する。60cm以上、100cm未満の予備枝は切り返しを加えずそのまま誘引し結果枝を育成する。 |
キーワード | ニホンナシ、あきづき、結果枝、予備枝、短果枝 |
背景・ねらい | ニホンナシ「あきづき」は品質が良いことから、中晩生の主力品種として現場に導入が進んでいる。しかし、この品種は「幸水」などで利用されている腋花芽の着生が悪く着果が不安定であるため、生産現場からは短果枝を多く確保できる結果枝育成技術が求められている。そこで、予備枝を利用して短果枝を確保できる結果枝育成技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 結果枝は2年間かけて育成する(図1)。 2. 1年目は、主枝・亜主枝から発生した新梢を仰角45度に夏季誘引して予備枝候補を確保する。新梢の誘引は7月(満開後70~100日頃)に実施すると、翌年、予備枝上の短果枝着生が良好となる(図2)。 3. 2年目はせん定時に予備枝を仰角30~45度に誘引して短果枝を着生させる。 4. 予備枝から新梢が多く発生すると短果枝の着生が悪くなる(図3)。予備枝は長いと新梢が多く発生するので、長さによって取り扱い方法を変える(表1)。 5. 長さ100cm以上の予備枝は新梢の発生が多いので、全長の約10%を切り返し、さらに摘心処理を行うことで先端部から基部まで短果枝の着生位置に偏りが少ない結果枝が得られる(表1)。 6. 長さ60cm以上、100cm未満の予備枝は新梢の発生が少ないので、切り返しや摘心処理をしなくても短果枝が多く着生した結果枝が得られる(表1)。 7. 長さ60cm未満の予備枝は短果枝の着生が悪いので、短果枝を確保するための予備枝には適さない。 |
成果の活用面・留意点 | 1. この技術は北陸地域の沖積砂壌土で得られた成果であり、比較的樹勢の落ち着きやすい土壌条件に適応する。 2. 摘心処理は頂端新梢を除く新梢を対象として6~7月(満開後40~80日頃)に行う。摘心する位置は、ロゼット状の部分から伸びた新梢ではロゼット状の部分を残して、それ以外は基部葉を3~4枚残して行う。新梢の再伸長が見られる場合には摘心を繰り返す。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 日本なし 品種 |