タイトル | 温水循環装置による山ウドの促成法 |
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担当機関 | 茨城農総セ |
研究期間 | 2001~2005 |
研究担当者 |
横山朋也 内田政善 鈴木清貴 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 床内の塩ビパイプに30℃の温水を循環させ、促成温度を15~20℃とし、軟化用資材にもみがらを利用して、低発泡ポリウレタンシート等の二重被覆で保温する装置を用いると、ふせ込み後23日前後で品質の良い山ウドが収穫できる。 |
キーワード | 山ウド、促成、温水循環装置 |
背景・ねらい | 茨城県の山菜類は、ほとんどが春の一定期間に生産が集中する一方、冬から早春までの期間の生産品目が減少し、直売所からは年間を通した安定供給が求められている。そこで、山ウドなどの山菜類が早期に収穫できる安価で簡易な促成装置と促成技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 装置の構造は、パイプハウス内に深さ約25cmの穴を堀り、高さ50cmの木枠(90cm×90cm)を設置し、この中に外径30mmの塩ビパイプを2本配管する。パイプは床内周辺の外側部を20cm、パイプの間を40cm、内側部を30cmとなるように配置する(図1左)。これにより等間隔(パイプとパイプの間を30cm)で配置するより床内の温度分布の差が少なくなる(表1)。発泡スチロール箱内の水をサーモスタット付きヒーター(1kw/100v)で30℃に加温し、ポンプによりパイプ内を循環させる。これにより促成床内の温度を15~20℃に保持できる。 2. 本装置利用による促成方法は、塩ビパイプが隠れる程度に床土を入れて、その上に山ウドの根株をふせ込む。90cm×90cmの一枠に7~10株程度ふせ込みが可能である。芽が隠れる程度に覆土し、潅水、その上に軟化資材として約30cmの厚さにもみがらを充填する。不織布の二枚重ねによる凍害防止と、ビニールと低発泡ポリウレタンシートの二重被覆により保温する(図1右)。16:30~翌朝8:30まで温水を循環し促成床を加温する。サーモスタット付きのヒーターを使用すれば循環水温、促成床温は安定するので温度管理は容易である。 3. 本装置により1kg前後の株をふせ込むと、一枠当たり2~3kgの軟化山ウドが、加温開始23日前後で収穫できる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 温水循環装置の経費は、塩ビパイプ、ヒーター、ポンプ等の資材を合わせて、1m2あたり6,400円前後である(電気代は除く)。 2. オオバギボウシ等他の山菜類にも利用可能である。 3. もみがらの深さは出荷基準に合わせて調整する。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | うど 温度管理 出荷調整 凍害 |