ラッカセイにおけるヒョウタンゾウムシ類の防除対策

タイトル ラッカセイにおけるヒョウタンゾウムシ類の防除対策
担当機関 君津農振セ
研究期間 2004~2006
研究担当者 深見理子(千葉農振セ)
清水喜一(農業改良課)
八槇明子(君津農振セ)
片瀬雅彦
発行年度 2006
要約 ヒョウタンゾウムシ類成虫がラッカセイほ場に侵入した場合、プロチオホス粉粒剤の株元散布により防除できる。前年に被害が発生したほ場では、ラッカセイの播種を遅らせて6月上旬まで無作付けで管理すると、ほ場で越冬した幼虫による被害を回避できる。
キーワード ラッカセイ、ヒョウタンゾウムシ類、薬剤防除、耕種的防除
背景・ねらい 千葉県では、トビイロヒョウタンゾウムシ及びサビヒョウタンゾウムシによる被害が以前から発生しており、近年、県北西部、中央部及び西部(東葛飾、印旛、千葉及び君津地域)で被害が顕著になっている。両種は多くの野菜及び畑作物を加害し、特にラッカセイ、ニンジン、ゴボウ、ネギなどを好む。しかし、両種の生態は十分に解明されておらず、また登録農薬はきわめて少ないことから、防除対策の検討が遅れている。そこで、現地調査、薬剤防除試験、飼育試験などからラッカセイを対象とした有効な防除対策を確立する。

成果の内容・特徴 1.
越冬成虫は4月中下旬から活動を開始し、産卵は4月から7月まで続く(図1)。
2.
越冬した成虫は周辺雑草で生息し、ラッカセイ播種後にほ場へ侵入する。侵入を確認した場合、プロチオホス粉粒剤を株元散布することにより、次世代幼虫数を減少させることができる(図2)。
3.
被害が発生したほ場で秋まで作物が作付けられていた場合には、土中で成虫及び幼虫が越冬している可能性が大きい(図3)。
4.
ほ場で幼虫が越冬している場合、ラッカセイの播種を遅らせて6月上旬までほ場を無作付けで管理する。これにより、越冬幼虫による被害を回避できる(図4、表1)。

成果の活用面・留意点 1.
プロチオホス粉粒剤(トクチオン細粒剤F)は2005年9月にラッカセイのヒョウタンゾウムシ類に適用拡大された。使用回数は収穫60日前まで2回で、処理量は9kg/10aである。なお、本剤はゴボウのヒョウタンゾウムシ類にも登録がある。
2.
成虫がラッカセイの葉を食害すると、左右対称の食害痕が残る。この食害痕からほ場に成虫が侵入していることを推察できる。
3.
ほ場を6月上旬まで無作付けで管理する場合、餌となる根を幼虫に与えないように、ロータリー耕耘などで除草する。また、前年の作物の根などが残らないようにする。

図表1 218457-1.gif
図表2 218457-2.gif
図表3 218457-3.gif
図表4 218457-4.gif
図表5 218457-5.gif
カテゴリ 病害虫 ごぼう 雑草 除草 にんじん ねぎ 農薬 播種 ひょうたん 防除 薬剤 らっかせい

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