サイレージを主な粗飼料源とするロール発酵TMRの通年給与による乳生産

タイトル サイレージを主な粗飼料源とするロール発酵TMRの通年給与による乳生産
担当機関 三重科技セ
研究期間 2006~2008
研究担当者 乾 清人
山本泰也
三宅健雄
平岡啓司
発行年度 2007
要約 自給サイレージを主な粗飼料源とするロール発酵TMRは、泌乳牛に通年給与しても安定した乳生産を確保でき、血液生化学成分に異常はみられない。
キーワード 乳用牛、ロール発酵TMR、通年給与、自給粗飼料、細断型ロールベーラ
背景・ねらい 酪農経営の維持発展のためには、積極的な自給飼料の活用により輸入飼料依存から脱却を図る必要がある。近年、細断型ロールベーラを用いてTMRを高密度に梱包するロール発酵TMR技術が開発された。この方法は、高水分の自給サイレージや食品製造副産物を用いても高品質なTMRを調製できることから、飼料自給率向上に寄与すると期待されている。そこで、酪農現場での実用化に向け、自給粗飼料を主体としたロール発酵TMRの通年給与が乳生産に及ぼす影響を実規模レベルで検討する。

成果の内容・特徴 1.
発酵TMRの原料となる草種の構成は、栽培体系により季節変動するが、その条件で発酵TMRを調製して泌乳牛に通年給与しても、安定した乳生産を確保できる。また、夏季でもTMRの品温が上昇しないため(データ省略)、残餌を回収せず連続して給餌することが可能であり、その場合でも乾物採食量の大きな低下は認められない(図1、2)。
2.
分離給与による飼養時との比較であるが、経産牛および初産牛ともに分娩後の乳量の立ち上がりが早く、分娩後90日まで高い乳量水準で推移する(図3)。
3.
調製後約1ヶ月間貯蔵した発酵TMRを給与しても、泌乳牛の血中ビタミンA濃度の低下はみられない。また血液生化学成分も分離給与時と比べて差がみられず、臨床的異常は認められない(図4)。

成果の活用面・留意点 1.
多種類の草種のサイレージを発酵TMRの粗飼料原料として用いる条件で活用できる。
2.
本成果は、細断型ロールベーラ(85cm径)で調製し約1ヶ月貯蔵したロール発酵TMRをH18年10月~H19年11月の期間、泌乳牛約20頭にフリーストール牛舎で通年給与したときの成績(図中:発酵TMR)で、比較対象としてつなぎ牛舎においてH16~18年に粗飼料と濃厚飼料の分離給与をおこなった時の成績(図中:分離給与)を用いた。なお分離給与時の飼料は、輸入乾草(オーツ、アルファルファ)、サイレージ(イタリアン、エンバク)、配合飼料、ビートパルプ、ヘイキューブ等である。

図表1 218533-1.gif
図表2 218533-2.gif
図表3 218533-3.gif
図表4 218533-4.gif
カテゴリ アルファルファ 季節変動 経営管理 栽培体系 乳牛

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