生稲わらサイレージに生米ぬかを混合した肥育牛用発酵TMRの品質と採食性

タイトル 生稲わらサイレージに生米ぬかを混合した肥育牛用発酵TMRの品質と採食性
担当機関 飼料環境課
研究期間 2006~2007
研究担当者 高平寧子
金谷千津子
吉野英治
中島麻希子
紺博昭
丸山富美子
発行年度 2007
要約 生稲わらサイレージや配合飼料などに生米ぬかを10%程度混合した発酵TMRは、脂質の酸化がなく、乳酸および酢酸含量が高く、開封後の品温が変化しにくい。さらに黒毛和種去勢肥育牛の採食性は良好である。
キーワード 生米ぬか、発酵TMR、黒毛和種去勢肥育牛、採食性
背景・ねらい 近年、肥育牛用飼料は、低・未利用資源を配合飼料と混合し、発酵TMRとして利用する方法が注目されており、黒毛和種肥育牛への利用も期待されている。一方、食用米副産物である生米ぬかは、脂肪やエネルギー含量が多く飼料価値が高いが、玄米精白後の脂質酸化が急激に進むため、利用があまり進んでいない。また最近では、肉用肥育牛への生米ぬか給与により、肉色の保持に効果的な血中α-トコフェロール濃度が高くなることから、牛肉の品質保持効果が注目されている。
そこで、コンバインで刈り取り直後の稲わらから調製した生稲わらサイレージに、配合飼料や生米ぬかを混合した発酵TMRの利点を明らかにするため、発酵過程における脂質酸化や有機酸含量、開封後の品温変化および黒毛和種去勢肥育牛の採食性等を明らかにする。

成果の内容・特徴 1.
生稲わらサイレージと肥育牛用市販配合飼料を素材として、これに生米ぬかを混合した発酵TMR(表1)の過酸化物価およびカルボニル価は、いずれも従来報告されている飼料中の値と同程度以下かそれ以下であり、生米ぬかの混合割合が増加するにしたがい、乳酸および酢酸含量が増加する(表2)。
2.
生米ぬかを混合した発酵TMRは、生米ぬかを混合していないものに比べ、開封後の品温が変化しにくい(図1)。
3.
黒毛和種去勢肥育牛(20カ月齢)の発酵TMRの採食量は、市販配合飼料と乾燥稲わらを分離給与する慣行法よりも多い傾向にある(表3)。

成果の活用面・留意点 1.
生稲わらサイレージ・配合飼料混合の発酵TMRに生米ぬかを乾物で7~13%混合することにより、配合飼料の混合割合を10~20%減らすことができ、黒毛和種肥育牛向けの発酵TMRとして十分活用できる。
2.
生米ぬかを発酵TMRの材料として用いることにより、変敗させずに安定利用できる。
3.
生米ぬかにはリンや脂肪が多く含まれるため、TMRに調製する場合は、カルシウムとリンのバランス(1:1~2:1)に注意するとともに、TMR中の脂肪含量を乾物5%程度に抑える。

図表1 218539-1.gif
図表2 218539-2.gif
図表3 218539-3.gif
図表4 218539-4.gif
カテゴリ 乾燥 品質保持 未利用資源

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