タイトル | 「ヒリュウ」台「青島温州」の主幹形整枝による軽労働・高品質化 |
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担当機関 | 静岡農林技研果樹研セ |
研究期間 | 2003~2007 |
研究担当者 |
佐々木俊之 澤野郁夫 高橋哲也 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 「ヒリュウ」台「青島温州」を主幹形に整枝し、マルチ栽培を組み合わせた新しい栽培システムでは、樹高が約2mに維持されるので収穫労力を省力・軽労働化でき、また、果皮色の紅が濃く、糖度が13度以上の果実を4トン/10a程度生産できる。 |
キーワード | ウンシュウミカン、整枝、マルチ、省力化、高品質 |
背景・ねらい | カンキツは傾斜地を中心に栽培されており、栽培面積を確保し産地を維持するためには、傾斜地園の省力・軽労働化を目的とした作業環境の改善が重要な課題となっている。また生産者の所得を高水準に安定化させるためには高品質果実を生産することが重要である。 そこで、樹勢が旺盛な「青島温州」をわい性の「ヒリュウ」台に接ぎ木し、さらに主幹形に仕立て作業しやすい樹形とするとともに、これにマルチ栽培を組み合わせて高品質な果実を生産できる新しい栽培システムを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 1年生苗を30cmの高さで切り返し、頂芽のみを主幹として伸ばし、2年目に側枝を発生させ主幹形とする(図1)。 2. 本仕立て法で早期に2mの樹高を確保し、慣行の開心自然形より上部の空間の利用が改善されるので、結実初期の収量を多くできる。また、樹冠幅が狭くなることから、密植栽培が可能である。1樹あたり収量から試算すると、9年目に約4トン/10a(樹間幅2m、樹列間幅3m)の生産が見込める(表1)。 3. 「ヒリュウ」台「青島温州」主幹形は、樹高が2.3m、最大樹冠幅が1.9mに維持されるため、樹上および樹冠内部での作業がなくなり、カラタチ台開心自然形よりも作業効率の向上と軽労働化が図れる(表2)。 4. 主幹形「ヒリュウ」台「青島温州」を7年間のマルチ栽培すると、無被覆栽培に比べ樹の生育は抑制されるが、隔年結果性が改善されるので、結果として累積収量が無被覆栽培と同等程度となる。また、果実品質は糖度が上昇し果皮の紅が濃くなる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 生育を促すため、育苗時の2年間はハウス内でのポット育苗を基本とする。 2. 1年目に側枝を1,2本設定すると生育が優れ、収量も多くなるが、樹冠幅も広くなるので、主幹形の維持が難しい。 3. 「ヒリュウ」台は根が浅くて倒伏しやすいので、太い支柱で主幹部を固定する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 育苗 温州みかん 傾斜地 省力化 接ぎ木 その他のかんきつ |