タイトル | バーティシリウム萎凋病抵抗性キャベツ新品種「YR恋豊」、「YR清美」の育成 |
---|---|
担当機関 | 群馬農技セ |
研究期間 | 2000~2006 |
研究担当者 |
加部武 関上直幸 吉村孝一(雪印種苗(株)) 剣持伊佐男 佐々木則雄(雪印種苗(株)) 日戸正敏 |
発行年度 | 2007 |
要約 | キャベツ新品種「YR恋豊」と「YR清美」はキャベツバーティシリウム萎凋病抵抗性を有し、8月中旬~9月収穫の高冷地栽培に適した早生品種である。 |
キーワード | キャベツ、バーティシリウム萎凋病、萎黄病、早生品種、高冷地 |
背景・ねらい | 群馬県嬬恋村では、平成5年にキャベツバーティシリウム萎凋病が発生し、平成12年には発生面積が53.3haと被害が拡大している。現在は耕種的防除法の導入により全体の発生面積は減少傾向であるが、新規の発生圃場は増加している。また、薬剤による防除は難しく、土壌中でバーティシリウム菌は10年以上生存している。そこで、環境に優しい防除法としてバーティシリウム萎凋病に強く、8月~9月収穫に適した品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 「YR恋豊」 1. 育成経過 種子親を「YR秋徳」後代の萎黄病Aタイプ抵抗性系統、花粉親を「里山分系」後代としたF1品種である。 2. 品種特性 1)キャベツバーティシリウム萎凋病の抵抗性は「YR藍宝」と同程度で強い(表1)。 2)葉の波うちや球色等から、寒玉系品種としての特徴を有する(図1)。 3)定植後65日程度で収穫できる早生品種である。 4)作型は高冷地の5月上旬~下旬播種で、8月中旬~9月収穫に適する。 「YR清美」 1. 育成経過 種子親を萎黄病抵抗性Aタイプ川崎系の後代、花粉親を「金春」×「極早生豊春分系」の後代とするF1品種である。 2. 品種特性 1)キャベツバーティシリウム萎凋病の抵抗性は「YR藍宝」と同程度で強い(表1)。 2)葉の波うちや球色等から、春系と寒玉系の中間タイプとしての特徴を有する(図2)。 3)定植後60日程度で収穫できる早生品種である。 4)外葉がやや大きいが、収穫時の球揃いは良い(表2)。 5)作型は高冷地の5月上旬~下旬播種で、8月中旬~9月上旬収穫に適する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 「YR恋豊」、「YR清美」は、低温結球性に劣るため、10月以降に収穫する作型を避ける。 2. 「YR清美」は、在圃性が低いため収穫遅れに注意する。 3. 両品種は雪印種苗(株)が2007年4月から種子販売を開始し、群馬県外での栽培も可能である。 4. 平坦地における両品種の作型は、7月中下旬播種で、10月中旬~11月中旬収穫に利用可能である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 萎黄病 キャベツ 栽培技術 新品種 抵抗性 播種 品種 防除 薬剤 |