タイトル | 春どり収量が高い寒冷地露地普通栽培用アスパラガス「どっとデルチェ」の育成 |
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担当機関 | 長野野花試 |
研究期間 | 1999~2007 |
研究担当者 |
臼井冨太 宮坂幸弘 元木悟 酒井浩晃 松本悦夫 上杉壽和 清水時哉 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 寒冷地のアスパラガス露地普通栽培に適した新品種「どっとデルチェ」は、ウエルカムに比べて春どりでの収量性に優れる。収穫物は太ものが多く、2L及びL級規格の比率が高い。また、斑点病の発生は従来品種に比べて少ない。 |
キーワード | アスパラガス、寒冷地、露地普通栽培、斑点病 |
背景・ねらい | 長野県のアスパラガスは、水田転換作物として定着化が図られ、北信地域を中心として全県にわたり産地化が図られている。しかし、栽培面積は北海道に次ぐものの、単収は全国平均を大きく下回っている。県内の主要作型は寒冷地の露地普通栽培であり、春どりの収量増加は農家の収入増加に直接結びつく。そこで寒冷地の露地普通栽培に適した良品質で春の多収品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1.育成経過 「どっとデルチェ」は、「ポールトム」由来の選抜雌系と、全雄系品種「ガインリム」由来のを交配した一代交配種である。 2.品種特性 1) 「どっとデルチェ」は、特に春どりの収量性に優れ、対照品種より多収となる。しかし、長期どりする場合、特に無灌水ほ場では夏秋どりの収量が低下するため、総収量は対照品種と変わらない。 2) 「どっとデルチェ」の収穫物は太ものが多く、2L及びL級規格の比率が高い(表1~2、図1)。 3) 形態的には、「どっとデルチェ」は節間長が長く、りん片葉が大きい。 4) 「どっとデルチェ」は春どりで若茎のアントシアニンの発現がやや多く、若茎頭部の色及び擬葉の色がやや濃い特性を有する。 5) 「どっとデルチェ」における斑点病の発生は従来品種に比べて少ない(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 栽培方法は、「ウエルカム」に準じる。 2. 本品種は「ウエルカム」に比べて春どりでの収量性に優れるため、長期どりしない寒冷地のアスパラガス露地普通栽培に特に適する。 3. 乾燥条件では収量が低下する場合があるので、灌水できる圃場で栽培するのが望ましい。 4. 高温期の収穫物は、伸びすぎると穂先が従来品種より開きやすいので早めの収穫を心がける。 5. 種子配布は、(社)長野県原種センターにて行い、当分の間長野県内に限定する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | アスパラガス 乾燥 くり 新品種 水田 品種 |