短葉性ネギ新品種 「砺波No.5」、「砺波No.9」育成

タイトル 短葉性ネギ新品種 「砺波No.5」、「砺波No.9」育成
担当機関 富山農技セ
研究期間 2002~2007
研究担当者 向井和正
西畑秀次
藤井均
布目光勇
北田幹夫
発行年度 2007
要約 短葉性を示すネギの新品種「砺波No.5」及び「砺波No.9」を育成した。両品種はいずれも葉身が短く、葉鞘の太さを確保しやすく、辛みが少なくて葉鞘・葉身ともにやわらかく良食味である。
キーワード ネギ、新品種、短葉性、良食味、循環選抜
背景・ねらい 富山県ではネギが野菜の推進品目に指定されており、畑地だけでなく水田転換畑への導入が進んでいる。葉鞘の太さを確保しやすく軟白作業等栽培管理の省力化が可能で、買い物袋に入るコンパクトなサイズに仕上がる良食味な短葉性のネギ生産が望まれている。現在、比較的短葉性を示す根深ネギ品種「ホワイトツリー」を用い、全長40cmの荷姿に調製して生産し「ねぎたん♩♩」の商標で流通している。そこで、さらに消費者ニーズに近い「短葉性」で「良食味」のネギを育成する。

成果の内容・特徴 1.育成経過
「砺波No.5」及び「砺波No.9」は、根深ネギ品種の千住群黒柄系5品種からなる集団と千住群、加賀群、越津系を含む5品種からなる集団をそれぞれ基本集団とする循環選抜を2回行い、その後集団選抜を繰り返して育成した固定品種である。
2.特性の概要
1)
生育特性は、短葉性を示す市販品種「ホワイトツリー」と比較して、「砺波No.5」では、草丈及び葉身長は短いが葉鞘長がやや長く、葉鞘径がやや太く、1本重が大きい。また、生葉数は少なく、分けつが少ない。「砺波No.9」では、草丈及び葉身長が短く、葉鞘長が同程度、葉鞘径が太く、1本重が大きい。また、生葉数は少なく、分けつが少ない。「砺波No.5」は「砺波No.9」と比較して、葉鞘径はやや細いが、葉鞘長がやや長いので同一作型で栽培した場合には早期収穫が可能である(図1、表1)。
2)
品質特性は「砺波No.5」、「砺波No.9」ともに対照の「ホワイトツリー」と比較して、ピルビン酸生成量が少なく辛みが少ない。また、葉鞘硬度及び葉身硬度が小さくやわらかいことから良食味である(表2)。
3)
夏どり及び秋どり作型において、「砺波No.5」、「砺波No.9」ともに対照の「ホワイトツリー」と比較して、草丈が短く、1本重、調製重ともに大きく、収量性が高い(表3)。

成果の活用面・留意点 1.
富山県の畑地及び水田転換畑における、夏どり及び秋どり作型に適する。
2.
通常の根深ネギ品種と比較して短い葉鞘長で収穫することから、平床植えができる。
3.
「砺波No.5」、「砺波No.9」は富山県と野菜茶業研究所との共同研究による育成品種で、富山県が「越中なつ小町」、「越中ふゆ小町」の名称で品種登録出願中である。
4.
耕種概要は排水対策のために明渠を施した平床に条間90cm、株間2.5cmで定植し、基肥はN、P2O5、K2O各5kg/10a、追肥及び培土は2回行い追肥量合計がN、P2O5、K2O各9kg/10aを基本とする。

図表1 218636-1.jpg
図表2 218636-2.gif
図表3 218636-3.gif
図表4 218636-4.gif
カテゴリ カイコ 栽培技術 省力化 新品種 水田 ねぎ 品種 良食味

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