アスパラガスの立茎長期どり栽培における省力施肥技術

タイトル アスパラガスの立茎長期どり栽培における省力施肥技術
担当機関 栽培
研究期間 2003~2006
研究担当者 竹田宏行
谷内田学
渡邊裕輔
高岡裕樹
発行年度 2007
要約 アスパラガスの立茎長期どり栽培において、窒素吸収パターンに合わせて被覆燐硝安加里肥料を使用することにより、追肥を省略し、新潟県慣行窒素施用量60kg/10aに対し、30%の窒素を削減して慣行法と同等の収量を得ることが可能である。
キーワード アスパラガス、窒素吸収特性、立茎長期どり栽培、省力施肥技術
背景・ねらい アスパラガスは、野菜類の中でも施肥量および堆肥施用量が多い品目の一つであり、施肥量削減技術および省力化技術の開発に対する要望が強い。肥料の無駄がない効率的な施肥を行うためには、アスパラガスの生育時期別の養分吸収量を把握し、それに基づく肥培管理が必要がある。そこで、立茎長期どり栽培におけるアスパラガスの窒素吸収特性を調査し、それに基づく合理的な施肥法を確立する。

成果の内容・特徴 1.
2年生アスパラガスの生育期毎の窒素吸収量は、5月上旬からほぼ直線的に増加し、9月以降の吸収速度は減少する。茎葉刈り取り時期までの総窒素吸収量は10aあたり約35kgである(図1)。
2.
被覆燐硝安加里140日タイプを10aあたり40kg施用したときの新潟県の平場地域における地温から予測した窒素溶出パターンは、アスパラガスの窒素吸収パターンとよく一致する(図1)。
3.
これに基づき、慣行施肥窒素量の10aあたり60kgに対し、基肥として萌芽前に3割少ない42kgを一括施用することにより(表1)、普通露地栽培の3年生および6年生株でも、慣行施肥法と同等の収穫量を確保することが可能である(図2)。
4.
その他の養分の総吸収量は、リン約7kg、カリ約40kg、カルシウム約6kg、マグネシウム約2kgである(データ省略)。

成果の活用面・留意点 1.
試験に用いた被覆燐硝安加里140日タイプ(窒素:リン酸:カリ=14:12:14)の肥料成分の溶出は温度に依存するため、北陸地域の平場地帯以外の地域では、窒素溶出シミュレーションを行い適宜施用量、溶出タイプを変更する。
2.
被覆燐硝安加里の表面皮膜が乾燥すると、期待どおりの肥効を発揮しない場合があるので、施肥後(畦上または全面)速やかに堆肥マルチを行うか、土壌と軽く混和し、かん水を適宜行うことによって適湿を保つ。
3.
養分吸収量は新潟園研圃場の褐色低地土(SL)を充填し、圃場に埋設したポット(50cm×50cm、80L容)で栽培した2年生の株を、毎月6株堀取り調査した平均値を10アールあたり1,111株(1.8m×0.5m)として換算した。
4.
生育年数、地力の大小および堆肥の投入量等により、施肥窒素の必要量に違いがある場合があるので、圃場条件に合わせて施肥窒素量を加減する。

図表1 218647-1.gif
図表2 218647-2.gif
図表3 218647-3.gif
カテゴリ 肥料 アスパラガス 乾燥 省力化 施肥 肥培管理

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