タイトル |
サヤエンドウを用いたクロピラリドの生物検定法 |
担当機関 |
長野県中信農業試験場 |
研究期間 |
2006~2007 |
研究担当者 |
佐藤 強
吉田清志
重盛 勲
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発行年度 |
2007 |
要約 |
サヤエンドウを用いた生物検定において、葉の変形程度を数値化することにより、クロピラリドの土壌中濃度の推定が可能である。「兵庫絹莢」は、他品種より展葉が速いため3~4日早く検定できる。
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キーワード |
クロピラリド、生物検定、サヤエンドウ、牛ふん堆肥、濃度推定
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背景・ねらい |
除草剤クロピラリドの残留を判定する方法としてサヤエンドウを用いた生物検定が有効であり、堆肥センターなどの現場でも簡易に行うことができる。しかし、残留濃度のより精度の高い推定法や気温など栽培環境の影響、検定に用いる品種については未検討である。そこで、検定に適する品種を選抜し、土壌中の残留濃度と生育の定量的関係や栽培温度による影響を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- クロピラリドが残留している場合、サヤエンドウは、非常に低濃度から特徴的な生育障害を起こす。濃度が高いほど下葉から変形し、かつ変形程度が大きくなることを利用し、サヤエンドウを用いてクロピラリド残留濃度を推定することができる。具体的な手順は以下のとおりである。
- H17年度成果情報「牛ふん堆肥に残留するクロピラリド等ホルモン型除草剤の生物検定法」を参考にサヤエンドウを栽培する。不完全葉を除く5段の各展開葉について、図1に示した基準により障害程度を数値化する。
- 各展開葉の障害程度を次式にあてはめ残留指数を算出する。
残留指数=(第1葉×5+第2葉×4+第3葉×3+第4葉×2+第5葉×1)/5 この残留指数は、土壌中のクロピラリド濃度と高い相関関係がある(図2)。
- 検定に適する品種を検討するため国内に流通している37品種から、生育が早く、徒長しにくい「兵庫絹莢」を選抜した(データ略)。
- 「兵庫絹莢」は、従来から用いられている「あずみ野30日絹莢PMR」に比べ、展葉が速いため3~4日早く検定できる。更に20℃より、高温の25℃で栽培すると4~5日早くなり、14日間で検定が可能となる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 「兵庫絹莢」は、検出感度に対する温度の影響が大きいので陽光恒温器を用いた検定に適する。
- 本方法を用いて堆肥中の残留濃度を推定することも可能である。
- 培土の種類が、検出感度に影響を与えることがあるので、同一の培土を用いると再現性が高まる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
さやえんどう
除草剤
生物検定法
品種
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