タイトル | トルコギキョウえそ萎縮ウイルス(仮称)の土壌伝染方法 |
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担当機関 | 長野野花試 |
研究期間 | 2005~2007 |
研究担当者 |
藤永真史 宮本賢二 宮坂昌実 小木曽秀紀 守川俊幸(富山農技セ) 夏秋知英(宇大) |
発行年度 | 2007 |
要約 | トルコギキョウに発生するトルコギキョウえそ萎縮ウイルスは媒介者を要しない物理的な接触伝染により土壌伝染する。 |
キーワード | トルコギキョウ、トルコギキョウえそ萎縮ウイルス、LiNSV、土壌伝染 |
背景・ねらい | 長野県内のトルコギキョウ栽培においてウイルス病による被害が顕在化し、とりわけ土壌伝染性のトルコギキョウえそ萎縮ウイルス(LiNSV:仮称)によるえそ萎縮病の発生拡大が危惧されている。本病の防除には、土壌消毒や抵抗性品種の利用などを効果的に組み立てる必要があるが、本ウイルス病における土壌伝染機構は未だ不明である。そこで、LiNSVの土壌伝染機構を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. トルコギキョウえそ萎縮ウイルス(Nag-4株)の感染葉磨砕粗汁液を滅菌土壌に混和して作製した人工汚染土壌および自然汚染土壌のクロルピクリン土壌くん蒸処理の有無に関わらずトルコギキョウ(品種:エクローサピンク)に発病が認められる(表1)。 2. 園芸培土の熱滅菌処理土壌に、LiNSV感染葉粗汁液を混和した人工汚染土壌でも発病が認められる(表1)。 3. 以上から、LiNSVの土壌伝染は、物理的な接触伝染である。 4. 表層が無病土壌で下層にウイルス汚染土壌が存在する条件(無病土壌10cm+汚染土壌10cm)では発病が認められないことから(図1)、移植時に発生する根傷が主な侵入門戸である可能性が高い。 5. 発病の適温は22.5℃付近と比較的低温であり(図2)、低温期を栽培期間とする5~6月収穫の季咲き切り作型で発病が多いこととほぼ一致する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本ウイルスは、主に定植時に生じる根傷により感染する可能性が高いことから、育苗中に過度の根回りを起こさせないよう、セルトレイサイズに適した育苗日数を心がける。 2. 移植時の根傷と汚染土と接触させないようにするためには、固化培地を用いた稚苗定植やペーパーポット等の利用が考えられる。 3. 本ウイルス病は、その発病適温より抑制栽培よりも施設加温および無加温栽培で発生が多い傾向がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 病害虫 育苗 萎縮病 くり 栽培技術 抵抗性品種 土壌くん蒸 土壌消毒 トルコギキョウ 品種 防除 |