アナアオサの飼料添加による高品質鶏卵の生産と細胞性免疫の増強

タイトル アナアオサの飼料添加による高品質鶏卵の生産と細胞性免疫の増強
担当機関 三重畜研
研究期間 2005~2007
研究担当者 佐々木健二
巽 俊彰
西 康裕
発行年度 2008
要約 産卵鶏にアナアオサを2%飼料添加することにより、産卵性を維持しながら、卵黄中にルテインを1.2倍含み、ハウユニットが高く、卵黄色の濃い鶏卵を生産できる。さらに産卵鶏の細胞性免疫を増強することができる。
キーワード 産卵鶏、鶏卵、アナアオサ、海藻、ルテイン、ハウユニット、細胞性免疫
背景・ねらい アナアオサは、夏期に伊勢湾内湾や河口域で海岸に打ち上げられて腐敗し、浅海域の稚貝や底生生物等をへい死させるなど漁場環境悪化や悪臭による周辺環境悪化の原因となっている。また、海藻類は窒素やリンなどの冨栄養化原因物質を吸収し、浅海域の水質浄化に貢献しているが、放置されると再び水質汚染の原因となるため、陸上に取り上げたうえで有効活用することが重要である。そこで、アナアオサを産卵鶏へ飼料添加し、卵質、産卵性、卵黄中ルテイン含量及び細胞性免疫に及ぼす影響を調査する。ルテインとは、カロテノイドの一種で、眼に多く存在し、眼の疾病予防に多く摂取すると良いとされる。
成果の内容・特徴
  1. アナアオサを2%飼料添加しても産卵成績に影響はないが、4%飼料添加すると産卵成績が低下する。(表1)。
  2. 卵黄中ルテイン含量は、アナアオサを2~4%飼料添加すると無添加(対照区)に対して20%多く含まれる(表1)。
  3. アナアオサの飼料添加により、ハウユニットが向上する傾向がみられ、卵黄色が濃くなる傾向がみられる(表2)
  4. ヒトガンマーグロブリンの肉垂皮下接種による腫脹差(遅延型過敏反応)は、アナアオサ2%の飼料添加により大きく腫脹し、細胞性免疫の増強が認められる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. アナアオサは、伊勢湾で採取したものを水洗通風乾燥後粉末化したものを供試した。
  2. 産卵成績への悪影響を防ぐため、アナアオサの添加量は2%程度までとすべきである。
  3. 海藻原料及び調整方法等による機能性成分の変動に留意すること。
  4. アナアオサ採取調製等の飼料化コストが課題となる。
図表1 218808-1.gif
図表2 218808-2.gif
図表3 218808-3.gif
カテゴリ 乾燥 機能性成分 コスト

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