タイトル |
ロール発酵TMRは未発酵TMRに比べてハエ類の飛来が少ない |
担当機関 |
三重畜研 |
研究期間 |
2006~2010 |
研究担当者 |
平岡啓司
川村淳也
乾清人
西口茂
山本泰也(三重県農水商工部)
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発行年度 |
2008 |
要約 |
細断型ロールベーラで調製したロール発酵TMRは、通常の未発酵TMRに比べてハエ類の飛来が少ないことから、飼槽内の衛生対策に有効である。
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キーワード |
ハエ類、細断型ロールベーラ、ロール発酵TMR、発酵品質、未発酵TMR
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背景・ねらい |
細断型ロールベーラ技術を利用して調製したロール発酵TMR(以下、発酵TMRと略す)は、通常の未発酵TMRに比べて貯蔵性、開封後の好気的安定性に優れることが明らかになっているとともに、給餌時に未発酵TMRに比べてハエの飛来数が少ないことが経験的に観察されている。 そこで、未発酵TMRとこれを素材にサイレージ調製した発酵TMRを用いて、ハエ類の飛来抑制効果を比較検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 乾物混合割合を稲発酵粗飼料25%、イタリアンライグラスサイレージ9.5%、乳牛用配合飼料65.5%混合した未発酵TMR(CP16%、TDN74%、水分43%)とこれを14日間および30日間ラップサイロで貯蔵した発酵TMRを供試し、昆虫飼育条件下(飼育ケース内寸:50cm(W)×25cm(D)×30cm(H))と牛舎内において一定時間内におけるハエ類飛来数の計測を実施している。
- 昆虫飼育条件下では、貯蔵期間14日目(pH4.3、乳酸含量3.5%FM、酢酸含量0.5%FM)および30日目(pH4.0、乳酸含量3.9%FM、酢酸含量0.7%FM)の発酵TMRは、未発酵TMR(pH5.5、乳酸含量1.9%FM、酢酸含量0.4%FM)に比べて、ハエ類の飛来割合が少ない(図1)。
- 牛舎内においても、未発酵TMRに比べて発酵TMRへのハエ類の飛来数は、極めて少ない(図2)。
- 発酵TMRにハエ類が飛来しても、その滞留時間は未発酵TMRに比べて極めて短く、長時間留まらない(図3)。
- ハエ類の飛来数が多い未発酵TMRに乳酸および酢酸を添加すると、ハエ類の飛来数が低くなる傾向から(α=0.10)、発酵TMRにおけるハエ類飛来の抑制には有機酸濃度の関与が示唆される(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 発酵TMRは、飼槽内におけるハエ類防除対策に効果的であり、食の安全・安心の面からも期待できる。
- ハエ類の雌雄の区別および採餌行動と産卵行動の面からも検討する必要がある。
- ハエ類の発生自体を抑制するものではない。
- 有機酸濃度以外の忌避要因についても今後検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
イタリアンライグラス
乳牛
防除
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