タイトル |
ニホンナシ「あきづき」の軸折れ軽減のための摘果方法 |
担当機関 |
富山農総技セ |
研究期間 |
2007~2008 |
研究担当者 |
関口英樹
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発行年度 |
2008 |
要約 |
ニホンナシ「あきづき」は果梗が上向きの大きな果実で軸折れが発生しやすいが、果梗が仰角45度よりも水平向きの果実を残すように摘果すると軸折れが軽減でき、収量は10a当たり4t以上を確保できる。
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キーワード |
ニホンナシ、あきづき、軸折れ、摘果
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背景・ねらい |
ニホンナシ「あきづき」は品質が良いことから、中晩生の主力品種として現場に導入が進んでいる。しかし、この品種は軸折れの発生が多く、大きな減収要因になっている。そこで、「あきづき」の軸折れの発生実態を調査するとともにその発生軽減技術を確立し生産安定に資する。
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成果の内容・特徴 |
- 軸折れは満開80日後頃から認められ、日肥大量がピークとなる満開100日後頃にもっとも多くなる(図1)。
- 予備摘果後の満開27日後において、果梗が短くて太く、大きな果実ほど満開80日後以降の軸折れが多くなる(表1)。
- 予備摘果後の満開27日後において、大きな果実であっても果梗が仰角45度よりも水平向きの果実では満開80日後以降の軸折れが少ない(図2)。また、この果梗の向きと軸折れとの関係は果台の向きに関わらず同様である(データ略)。
- 摘果において、大きな果実を残すように摘果すると、果梗が上向きの果実が多く残り軸折れは多発するが、果梗の向きが水平向きの果実を残すように摘果すると果実の肥大はやや劣るが、軸折れは軽減でき、収量は10a当たり4t以上を確保できる(表2)。
- 果梗が水平向きの果実は上向きの果実に比べると肥大はやや劣るが、1果重は492gで商品としては十分な大きさの果実が得られる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 摘果は予備摘果(1果そう1果、満開25日後)、仕上げ摘果(12果/m2、満開40日後)、補正摘果(10.5果/m2、満開58日後)に分けて仰角45度よりも水平の果実を残す。
- 果梗が水平向きの果実を残すように摘果作業を進めても、着果の偏りや変形果、傷果等により軸折れしやすい上向きの果実が残ることが想定される。このため、補正摘果での目標着果量は最終着果量(収穫時9果/m2)よりも15%程度多い10.5果/m2とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
日本なし
品種
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