タイトル |
リーフパンチを利用した茶葉窒素の簡易分析法 |
担当機関 |
静岡農技研(茶研セ) |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
小杉徹
成島光昭
松浦英之
太田充
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発行年度 |
2008 |
要約 |
リーフパンチ採取の葉片を直接NCアナライザーで測定する簡易分析による葉片の窒素含有率は、茶葉(個葉)の窒素含有率と相関が高い。継続的に葉片を採取することにより、簡易に樹冠面葉中の窒素含有率と窒素含有量の変化を把握できる。
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背景・ねらい |
茶園での窒素施用量は他の作物に比較して多く、溶脱した肥料成分が環境に及ぼす影響が指摘され、環境に配慮した適正な施肥が求められている。そこで、適切な肥培管理のために、茶樹の窒素に関する栄養的な変化を継続的に調査する方法として、茶葉からリーフパンチで採取した葉片を用いて、窒素を簡易に分析する手法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 茶葉からリーフパンチ(木屋製作所)を用い、円形葉片(直径9mm、面積0.64cm2 以下、茶葉片とする)を採取後仮乾燥する。粉砕することなく葉片を分析直前に再度乾燥し、NCアナライザーにより窒素含有率を測定する(図1)。
- 葉片窒素含有率と茶葉窒素含有率との間には相関が認められることから、葉片を採取することにより、茶樹の樹冠面葉中の窒素含有率を測定できる(図2)。
- 従来の茶葉(個葉)分析と比較して、①サンプル採取の手間が少ない、②茶葉片のまま水分量を測定できる、③粉砕の必要がない、④茶樹に与える負担が少ない、⑤継続的な葉中の窒素濃度の追跡等多点数の計測が容易にできる、等の利点がある。分析事例として、窒素施肥量の違いによる、栄養状態の異なる茶葉中の窒素含有率の変化の調査結果を示す(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 葉片は葉脈部位を避けて、採取する。本試験は6枚茶葉片を採取し、乾物重が20-30mg程度になる3枚分を分析して求めた数値である。新芽等で行う場合には、枚数を調整する必要がある。
- 現地ほ場でも、簡易に葉片の採取が可能である。また、採取にかかる時間は従来法と比較して約2/3である。また、粉砕等の作業が省略される。
- 一定の面積の葉片を採取するので、単位面積当たりの乾物重を測定することにより葉面積当たりの窒素含有量も容易に測定できる。
- 他の作物にも応用可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
乾燥
施肥
茶
肥培管理
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