タイトル |
酒造好適米「神の穂」の収穫適期 |
担当機関 |
三重農研 |
研究期間 |
2007~2008 |
研究担当者 |
川上拓
山川智大
神田幸英
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発行年度 |
2008 |
要約 |
酒造好適米「神の穂」を高品質で収穫するための適期は、帯緑籾歩合が15%前後、籾水分が25%前後となる出穂後35~40日である。適期収穫した「神の穂」は、精米適性が高く、酒造好適米として高品質な原料米が得られる。
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背景・ねらい |
三重県では、県内の酒造業者の要望により、吟醸酒や純米酒向けの酒造好適米「神の穂」を育成し、2007年に品種登録申請した。「神の穂」は、現在伊賀地域を中心に生産されているが、主要品種「コシヒカリ」と同熟期であることから、「コシヒカリ」との収穫作業の競合が問題となる。そのため、高品質な原料米を得るためには的確な収穫期の判断が必要である。そこで、「神の穂」の収穫時期の違いによる外観品質等の変動を調査し、高品質栽培技術を確立することによって、現地への円滑な普及を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 玄米の青未熟粒率は出穂後35日目以降には10%以下となる。また胴割粒は、高温年でも出穂後40日以内であれば、発生率10%を超えることはない(図1)。
- 検査等級は、出穂後22~25日では青未熟粒の多混入により3等あるいは等級外であるが、出穂後35~40日頃で最も良好となり、出穂後約45日を過ぎると除々に低下していく(図2)。
- 千粒重は、出穂後22日から25gを超え、出穂後28日以降安定して26g以上で推移する。また、玄米蛋白質含有率と心白発現率は、出穂後20~50日の間、それぞれ6.8~7.2%、65~80%で推移することから、千粒重、蛋白質含有率および心白発現率は、収穫時期との明確な関係はみられない(データ省略)。
- 「神の穂」収穫適期の指標は、出穂後35~40日、帯緑籾歩合は約15%、籾水分は25%前後である。出穂後35~40日の帯緑籾歩合は、「コシヒカリ」の同時期の値と比較すると僅かに高い値を示す(図3)。
- 適期に収穫された原料米では、精米適性の指標である無効精米歩合が2%以下となり、精米適性が高くなる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本試験は、伊賀地域の細粒グライ土での試験であり、伊賀地域での栽培に適応できる。
- 登熟期の平均気温は2007年では平年並であり、2008年は平年より約1℃高い。
- 出穂後35~40日は、出穂後積算気温で約950~1050℃である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
高品質栽培技術
酒造好適米
品種
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