タイトル | 大型法面用吊り下げ式草刈機 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
亀井雅浩 吉田智一 石田茂樹 土屋史紀 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 法面の天端上を移動する親機に吊り下げられた子機が法面内を移動しながら法面内の草刈りを行う機械である。オペレータは天端上で親機を操作することにより法面内の草刈りを行うことができ、刈払機と同等以上の作業能率で軽作業化が可能となる。 |
キーワード | 畦畔、法面、管理作業、草刈機 |
背景・ねらい | 中山間棚田地帯の基盤整備が進むにつれて大型法面が多く出現し、在来棚田の法面管理と合わせ、その管理作業の省力化が大きな課題となっている。そこで、市販の草刈機を応用することにより、急峻・長大な法面に適用可能な草刈機を作製し、それを利用した法面草刈り作業の軽作業化を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本機は、親機と子機から構成されている。親機は法面天端上を移動し、草刈りを行う子機をウィンチに巻き付けられたロープで吊り下げて法面内を移動させることにより、子機の転落を防止しつつ法面内の草刈りを行う(図1、表1)。 2. 本機のオペレータは、天端上の親機を操作して、親機の前後進移動とウィンチ操作による子機の上下移動を組み合わせて法面内の草刈りを行う。 3. 親機と子機の移動の組み合わせによる草刈り作業法には、平行刈りと鉛直刈りの2通りがある。平行刈りは、ロープを一定の長さに固定した状態で、親機が天端上を前後に移動して子機を斜め牽引することにより、天端に平行に草刈りを行う。一方の鉛直刈りは、ウィンチの巻き上げ下げにより子機を上下に移動させ、法面傾斜方向に草刈りを行う作業法である(図2)。 4. 法長さ(天端肩から法先まで)が3~10m、斜度が30~50°の法面に本機を適用した場合、鉛直刈りで作業能率は3~6a/h、心拍数増加率は20~30%である。一方、平行刈りではそれぞれ2a/h、40%程度であり、作業方式としては鉛直刈りが優れている。また、同様の条件下で刈払機の作業能率は2.5~4.5a/h、心拍数増加率30~50%であり、本機の鉛直刈り時の作業能率は刈払機と同等以上で軽作業化が可能である(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 親機の走行に必要な天端の幅は60cm以上が望ましい。 2. 平行刈りは法長さが3m未満の短い場合に限って適用する。 3. セイタカアワダチソウのような雑草に対しては、草高が60cm程度になるまでに作業することが望ましい。 4. 法面の凹凸が激しい場合は子機の移動が困難となる場合がある。 5. 法面内の障害物等による異常発生時の安全対策として、ウィンチ駆動部のトルクリミッタ、ロープフック部の安全ピンなどを装備する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 くり 雑草 省力化 中山間地域 |