センチピードグラスのセル苗移植による法面緑化

タイトル センチピードグラスのセル苗移植による法面緑化
担当機関 奈良農技セ
研究期間 1999~2001
研究担当者 佐々木茂
西野精二
発行年度 2001
要約 既存の法面において、除草剤散布後にセンチピードグラス(暖地型シバ草)をセル苗で移植し、1年目に数回の草刈りを行うと、2年目以降は除草剤のスポット処理を中心とした省力管理が可能な植生に転換できる。
キーワード センチピードグラス、法面、省力管理、植生転換
背景・ねらい 中山間地域では、基盤整備により造成された大規模な法面の植生管理作業が耕作者の大きな負担となっている。そこで、これらの法面の除草作業の大幅な減少を目指して、セル苗移植法により法面の植生をセンチピードグラスに転換する方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. シバの被覆スピードは、センチピードグラス>ノシバ(朝駆)>ノシバ(普通種)の順に早く(表1)、センチピードグラスは夏の乾燥にも強い。
  2. 山土にモミガラくん炭またはピートモスを混合し(表2)、緩効性肥料(マイクロロング70日タイプ)を6g/トレイ施用すると生育が良い。
  3. 128穴セルトレイに、種子1gを覆土と混和して播種すると、欠株率が1%となり安定的に育苗できる(表3)。
  4. 移植前に法面の雑草をグリホサート等の除草剤で枯死させ、6月に1平方メートルあたりセル苗を16株移植し、除草を行うと2ヶ月後には被度が80%になり、同様に25株移植し、刈払いを3回行うと5ヶ月後に被度が65%に達する。
  5. 4月上旬以降に播種後、移植作業に適応できる根鉢ができるまでの育苗期間は4~6週間必要である。
  6. 1年目の管理時間はセル苗の移植作業があり慣行の約5倍を要するが、2年目は除草剤のスポット処理が中心となり、3分の1以下になる(表4)。

成果の活用面・留意点
  1. センチピードグラスの発芽は低温条件では日数を要するので、無加温の条件では、播種時期を4月上旬以降とする。
  2. セル苗は移植後の乾燥に弱いので、移植時期は梅雨時期の6月が望ましい。
  3. 移植当年は、センチピードグラスに光が当たるよう、数回の草刈りが必要である。
  4. セル苗の移植時間は、法面の斜度等により、大きく変化する。
  5. センチピードグラスの普通種は耐寒性が弱いので寒冷地では耐寒性品種を用いる。

図表1 219053-1.jpg
図表2 219053-2.jpg
図表3 219053-3.jpg
図表4 219053-4.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 育苗 乾燥 雑草 植生管理 除草 除草剤 耐寒性 中山間地域 播種 品種

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