タイトル |
全自動キク移植機 |
担当機関 |
企画普及部 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
黒住 徹
川岡信吾
藤井祐子
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発行年度 |
2001 |
要約 |
本機はセル苗の2条植ができる全自動タイプで、作業姿勢の改善と作業時間の短縮に効果があり、切花品質も慣行と同等である。
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キーワード |
キク、セル成型苗、機械移植
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背景・ねらい |
キクの移植時間は10a当たりおよそ32時間を要し、腰をかがめた無理な姿勢を伴う。このため現地から省力・軽作業化を図るための移植機の開発が要望されていた。県は国庫補助を受けた事業(地域緊プロ)によりメーカーと協力して試作機を開発した。そこで、試作機の現地ほ場適応性や機械移植栽培での切花品質を調査し、普及上の問題点を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 本機は200穴セル苗の自動植付が可能で、植付方式は2組の苗取爪が1枚のトレイから同時に苗を抜き取り、2つの開孔器で植付ながら2枚の覆土ローラーが植付苗の根鉢部を鎮圧する。走行は谷間走行でマルチ被覆後に片道2条植えができ、傾斜地には油圧により対応できる(表1、図1)。
- 作業精度はかまぼこ型畝では正常植が97%で、10a(畝幅1.2m×16畝×奥行き47m、作業速度は6.8m/分、旋回23秒)の作業時間は約116分と慣行の6%である(表2)。
- 挿し穂の葉数は3~4枚必要で、セルトレイには深く挿さない。これにより根鉢の十分形成されたセル苗ができ、植付け精度が高まる(表3)。
- 切花品質:慣行栽培(条間40cm、株間10cm)と機械移植栽培(同24cm、同12cm)の切花長、切花重、茎基部の曲り角度には大きな差は認められず、同等の切花品質である(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 畝は台形型よりかまぼこ型がよい。マルチは晴天時に張っておき畝に密着させる。
- 苗の草丈は機械の構造上12cmを上限とする。
- 栽植様式変更に伴う単位面積当たり栽植本数の減少を防ぐため、畝幅を狭め(1.2mから1.1mに)、畝数でカバーする。
- 移植は挿し芽による200穴セルトレイ育苗が可能な輪ギク、小ギク、スプレーギクのすべてに対応できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
育苗
きく
傾斜地
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