タイトル |
選択型コンジョイント分析による大規模畦畔管理技術の改善目標 |
担当機関 |
作物研究部 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
諌山俊之
保科 亨
下澤秀樹
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発行年度 |
2001 |
要約 |
マルチ被覆と地被植物植栽を組み合わせた大規模畦畔管理技術において、今後、定植後の除草が不要となる技術に改善する場合、定植資材費が5,652円/a未満の増加あるいは定植労働時間が1.9時間/a未満の増加であれば農家効用は向上する。
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背景・ねらい |
マルチ被覆と地被植物植栽を組み合わせた大規模畦畔管理技術は、急傾斜地域における圃場整備水田を対象に普及しつつある。しかし、本技術は収益増加を伴わないため、従来の評価方法では妥当な改善目標を示せない。そこで、農家の効用(満足度)向上を目的とした技術の改善目標を、選択型コンジョイント分析によって明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 大規模畦畔管理技術を、表1に示す4属性をもつ商品と見立てる。各属性に4水準あるいは3水準を設け(表1)、それらを組み合わせた仮想的な技術を2つずつ提示し、いずれを選択するか、あるいはどちらも選択しないかを質問した。これを1農家当たり16問繰り返した。調査対象は現地実証試験地域において作業を経験し、かつ今後の導入意向が確認された農家9名である。この地域では、地被植物の育苗と定植作業を共同で実施している。本調査でも、これらの共同作業を実施することを前提とする。
- 各属性について技術改善する場合、定植資材費あるいは定植作業時間が増加してもよい上限値を表2に示す。例えば、定植作業時間が1時間/a減少する技術の場合、定植資材費が2,975円/a未満の増加であれば農家効用は向上する。また、定植資材費が1千円減少する技術の場合、定植作業時間が0.34時間/a未満の増加であれば農家効用は向上する(表2)。
- 定植後の除草が不要となる技術に改善する場合、図1に示す「効用向上領域」内で定植作業時間と定植資材費を増加させるのであれば農家効用は向上する。
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成果の活用面・留意点 |
- 今後、大規模畦畔管理技術を改善する上での参考となる。
- 本分析は、育苗と定植作業が共同実施されている地域を対象として行ったものであることに留意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
傾斜地
畦畔管理
栽培技術
除草
水田
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