ハウスミカン園における高水圧剥皮機を用いた軽労働型土壌改良法

タイトル ハウスミカン園における高水圧剥皮機を用いた軽労働型土壌改良法
担当機関 香川農試府中分場
研究期間 1999~2000
研究担当者 山下泰生
森末文徳
中西正憲
片山哲治
発行年度 2001
要約 ハウスミカンの土壌改良作業において、高水圧剥皮機の水圧を利用するとスコップを用いた人力による方法と比べて掘削作業の軽労働化が図られる。この方法で掘削した穴にピートモスを投入することで、土壌中層域の細根量は増加し、収量や果実品質も向上する。
キーワード ハウスミカン、高水圧剥皮機、土壌改良作業、軽労働化
背景・ねらい 近年、香川県内のハウスミカン栽培においては、高品質を追求するあまり、収穫前(果実成熟期)における過度の水分ストレス付与による樹勢衰弱や収量低下が認められ、栽培管理技術の改善が必要となっている。これまでの試験で、ハウスミカンの生産力を増強するためには、土壌中層域の改良による細根量増加が必要であることが明らかとなってきたが、ハウスミカン栽培における土壌改良作業は、夏季の重労働であるため、十分に行われているとは言い難い。そこで、土壌改良作業の軽労働化手法について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 落葉果樹等の粗皮削りに使用される高水圧剥皮機の水圧(90kgf/cm2 程度)を利用すると土壌改良用の穴(直径25cm、深さ30cm程度)を容易にかつ楽な姿勢で掘削できる(図1、図2、図3)。
  2. この方法を用いて、せん定直後(8月上旬)に1樹あたり4カ所の穴を掘削し、50リットル(1穴あたり12.5リットル)のピートモスを投入する作業(軽労区)は、スコップを用いた人力による方法(人力区)や、掘削を行わず地表面のみにピートモスを施用する方法(慣行区)と比較して、作業時間は長くなるが、作業中の心拍数及び心拍増加率は低くなり軽労働化が図られる(表1)。
  3. 軽労区の水切り期間における土壌中層域の細根量は、慣行区と比較して明らかに増加し、人力区と同等以上になる(表2)。
  4. 軽労区と人力区は、慣行区と比較して花数は多くなり、発芽節率も高くなる。さらに、慣行区と比較して、1樹あたりの収量は多くなり、着色や糖度等の果実品質も高くなる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 夏枝を母枝とする加温タイプに適用が可能である。
  2. 1穴の掘削には、約10リットルの水が必要である。
  3. 排水性の良い土壌(花崗岩風化土壌等)に適用性が高い。
  4. 土壌改良用の穴を掘削する位置、穴の数及び大きさは、従来の部分深耕による土壌改良に準じて決定する。
図表1 219208-1.jpg
図表2 219208-2.jpg
図表3 219208-3.jpg
図表4 219208-4.jpg
図表5 219208-5.jpg
図表6 219208-6.jpg
カテゴリ 栽培技術 土壌改良 排水性

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