ウメのDNAマーカーによるSf-RNase遺伝子型個体の早期選抜

タイトル ウメのDNAマーカーによるSf-RNase遺伝子型個体の早期選抜
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター
研究期間 1999~2001
研究担当者 岩本和也
林 恭平
発行年度 2001
要約 ウメの自家上和合性にはS-RNase遺伝子が関係し、この遺伝子の保存領域から設計したプライマーにより、自家和合性品種の判別が可能である。このプライマーをDNAマーカーとして、自家和合性と関係するSf-RNase遺伝子型個体の早期選抜ができる。
キーワード ウメ、S-RNase遺伝子、自家和合性、DNAマーカー、早期選抜
背景・ねらい ウメの栽培品種には自家上和合性が多く、受粉樹の混?が必要である。しかも、ウメの結実は訪花昆虫の活動に左右されるため気温の影響を受け、その生産性は上安定である。そのため、自家和合性の優良品種の育成が望まれている。そこで、S-RNase遺伝子の保存領域を用いてプライマーを作成し、自家和合性個体を早期に選抜するDNAマーカーを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 京都大学の田尾らとの共同研究で作成されたPru-C2及びPru-C4Rプライマー(表1)を用いたPCRにより、自家和合性と関係するSf-RNase遺伝子のバンドが、既報の自家和合性品種(「織姫《、「地蔵《、「八郎《、「紅サシ《、「竜峡小梅《)に加え「白王《、「紅王《、「前沢小梅《、「皆平早生《、「養青梅《でも確認される。一方、今回供試した自家上和合性品種(「南高《、「改良内田《、「小粒南高《、「鶯宿《、「加賀地蔵《)では上記バンドが出現しない(図1)。このため、この2種類のプライマーの組み合わせは、自家和合性のDNAマーカーとして使える可能性が高いと判断される。
  2. 「南高」×「地蔵」の交雑個体を用いPru-C2、Pru-C4Rによる検定を行った結果、調査した33個体のうち13個体でSf-RNase遺伝子が確認できる。同様に、「南高」×「剣先」の交雑個体では、調査した42個体すべてでSf-RNase遺伝子が確認できる(表2)。この2種類のプライマーを組み合わせてPCRすることにより、Sf-RNase遺伝子を持つ個体の早期選抜が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 自家和合性である可能性の高いウメ個体を早期選抜できる。
  2. DNAの採取は、展葉前の幼葉を用いるのがよい。
図表1 219227-1.jpg
図表2 219227-2.jpg
図表3 219227-3.jpg
カテゴリ うめ 自家和合性品種 受粉 DNAマーカー 品種

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