肥育牛に対する飼料中の効率的蛋白質水準

タイトル 肥育牛に対する飼料中の効率的蛋白質水準
担当機関 兵庫中央農技セ
研究期間 1999~2000
研究担当者 岡章生
岩木史之
発行年度 2001
要約 黒毛和種去勢肥育牛における肥育前期(11~20か月齢)の全飼料中粗蛋白質濃度を乾物当たり12~18%で給与したところ、発育、枝肉成績、脂肪酸組成に試験区間で有意な差を認めず、更に18%では肝障害牛が発生した。このことから、飼料中粗蛋白濃度は12%で十分である。
キーワード 動物栄養、肉用牛、黒毛和種去勢牛、飼料中粗蛋白質濃度、発育、枝肉成績
背景・ねらい 黒毛和種肥育農家では、高蛋白質飼料が肉質の向上及び発育促進に有効であると考え、給与飼料中の粗蛋白質濃度(CP)が日本飼養標準で示されている乾物中12.0~13.5%よりもかなり高くなっている。しかし、高蛋白質飼料は肝臓への負担が大きく、牛の健康に悪影響を及ぼす事が考えられるため、黒毛和種肥育における最も効率的な飼料中粗蛋白質濃度を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 肥育前期(11~20か月齢)に、粗飼料を含む全給与飼料の乾物中CP濃度が12%、14%、16%及び18%でTDN濃度は同一とする飼料をそれぞれ給与する。21か月齢以降は同一の飼料(CP:13.3%、TDN:73.0%)を給与した。
  2. 試験終了時(31か月齢)の体重、体高および胸囲の発育値に試験区間で有意な差は見られない(表1)。
  3. 18%区で4頭中2頭で肝炎が見受けられる(表1)。
  4. 日本格付協会の牛枝肉取引規格の評価では枝肉重量、胸最長筋面積、皮下脂肪の厚さ、脂肪交雑および肉色全てに試験区間で有意な差は見られない(表1)。
  5. 全肥育期間中のCP摂取量は12%及び14%区が16%及び18%区に比べ有意に少ない。しかし、TDN摂取量及び飼料効率に試験区間で有意な差は見られない(表2)。
  6. 胸最長筋、筋間及び皮下脂肪のモノ不飽和脂肪酸割合に試験区間で有意な差は見られない(表3)。
成果の活用面・留意点
    県内肥育農家に対して、飼料の適正給与の指標として活用する。
図表1 219229-1.jpg
図表2 219229-2.jpg
図表3 219229-3.jpg
カテゴリ 飼料効率 肉牛

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