タイトル | 採種用タマネギ母球配布機 |
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担当機関 | 香川県農業試験場 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
西田 剛 山浦浩二 十川和士 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 本機は、採種用タマネギ母球を畝上・列状に配布する作業機である。本機を使った配布作業は運転者と母球供給者の2人組作業で行い、固定種の母球配布の場合、作業能率は人力作業の1.5倍である。 |
キーワード | 採種用タマネギ、母球、配布、作業能率 |
背景・ねらい | 採種用タマネギは瀬戸内の寡雨地域を中心に契約栽培される地域特産物であるが、主要な農作業を人力に頼っているため、作業従事者の高齢化とあいまって生産の維持確保が困難になりつつある。とりわけ、母球の植付作業は、10aあたり1tの母球を人力で畝面に配布、植付(畝間1.2m、1条植え)する重労働であることから、機械化による省力化技術の開発が強く望まれている。このため、母球を畝上・列状に配布する母球配布機を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本機は、母球タンク、排出ベルト及び小型コンテナ積載架で構成される作業部を、クローラ式の汎用門形畝間走行台車に搭載して利用する(図1)。 2. 本機は、母球タンク(容量0.1m3)へ40kg(小型コンテナ2箱分相当)、小型コンテナ積載架へ200kgの計240kg(植付面積2a分相当)の母球を積載することができる(図1、表1)。 3. 母球タンクは、左右に2分割しており、底部に設けた排出ベルトが母球を排出部に搬送し、2畝分を同時排出・配布することができる。なお、左右の排出間隔は0.3~1.3mの範囲で任意に調節できる(表1、図2)。また、左右の仕切部は、DCモータで前後に揺動させており、仕切部側面に設けた流量制御板の効果により、母球を詰まることなく排出口へ流すことができる(図2)。 4. 母球の排出量(個/m)は、排出ベルトの駆動力を台車走行軸から得ているので、走行速度に関係なく一定に保つことができる。また、走行速度に対するベルト速度の比は、変速器を介して0.23~0.42の範囲で調節できる(表1)。 5. 配布作業は、運転者と母球供給者の2人組作業で行う。作業開始時に変速器で配布量を調節することにより、一定量の母球を列状に配布していくことができる。配布作業中の作業姿勢は、積載架からのコンテナ積み降ろし以外はすべて座った状態で作業を行うことができる。また、作業能率は、固定種の母球配布の場合、手作業の1.5倍である。(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 走行台車は、防除作業や収穫作業にも汎用利用できるが、旋回用として2.5m以上の枕地幅を要する。 2. 母球の配布精度を安定させるためには、事前の球径区分が不可欠である。 3. 市販化の予定がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 機械化 市販化 省力化 たまねぎ 防除 |