タイトル | 施設「せとか」の生育後期における水管理 |
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担当機関 | 愛媛果樹試 |
研究期間 | 2001~2005 |
研究担当者 |
薬師寺弘倫 中川雅之 脇義富 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 「せとか」の施設栽培は充分な潅水を行うと肥大、品質とも良好である。 |
背景・ねらい | カンキツ「せとか」では施設栽培による高品質果実生産が行われているが、栽培技術が確立しておらず、他の施設カンキツに準じた管理が行われている。水管理についても節水潅水が行われているが、その効果に不明な点が多いことから、果実肥大や高品質が維持でき、果実障害等の発生しない秋冬期の水分管理を検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「せとか」の施設栽培では秋冬季に葉がしおれる程度の乾燥処理を行っても通年潅水した場合と比べて糖度の増加傾向は認められず、クエン酸は乾燥処理により一時期は高い傾向も見られるものの収穫期には有意な差は生じない(表1,2)。逆に潅水制限を行った場合、10月の乾燥処理は裂果を助長し果実肥大も劣り収量が減少し、11月~2月は裂果は発生しないものの肥大は抑制され小玉傾向となる。しかし1月~2月に限定した乾燥処理は葉がしおれるものの裂果や果実の肥大抑制は生じない(表3)。 2. 施設「せとか」の品質に影響する水管理として土壌を常に湿潤状態とする通年潅水処理と秋冬期に潅水を停止し土壌を乾燥させる処理を行ったところ、花崗岩土壌では土壌水分含量が10%以下で葉のしおれが発生し、その乾燥状態に達するのに10月は潅水停止から約20日、11月は約30日、1月は約40日かかることから、この期間となる前に潅水する必要がある(表4)。 3. これらのことから、「せとか」は土壌を乾燥させるより一年を通して湿潤管理することにより、高糖でL級以上の高付加価値果実の生産が可能である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 「せとか」の、施設栽培では通年潅水が必要であることから充分に潅水できる圃場が望ましい。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 果実障害 乾燥 高付加価値 栽培技術 施設栽培 水管理 その他のかんきつ |