タイトル | 20本の結果枝をつけるモモ1年生苗木の育成技術 |
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担当機関 | 広島農技セ |
研究期間 | 2002~2002 |
研究担当者 |
柴山勝利 西川祐司 三善正道 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 不織布容器(側面透水性遮根型不織布、底面貫根型不織布、口径35cm、深さ30cm:培土量17リットル)に台木を植え、数日後に切接ぎし、pF2.6の自動かん水(水量約20mm/回)管理を行えば、20本以上の結果枝を持つモモの大苗を1年で育成することができる。 |
キーワード | モモ、大苗、改植、育苗、結果枝、不織布 |
背景・ねらい | 広島県では、樹齢26年生以上となるモモの老木樹の割合が平均で30%以上となっている。また、生産不安定な品種・系統が栽培されている産地もある。そこで、これらの樹の改植を進めるため、1樹あたり約5kgの果実生産を移植当年に実現することが可能な好適結果枝本数20本・総結果枝長9m・花芽率70%以上の優良大苗育成法について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 育苗培土は,マサ土(花崗岩風化土)とバーク堆肥を2:1で調整し,石灰質資材とようりんを1立方メートルあたりそれぞれ1kgと500gを混和したものを使用する。 2. 不織布容器(側面透水性遮根型不織布、底面貫根型不織布、貫根型ではあるが貫通し難い構造になっている)を用い、かん水開始点がpF2.6の自動かん水(水量約20mm/回)管理で、プラスチック容器育苗より、新梢伸長量で約3倍、好適結果枝数で1.5倍以上のモモの大苗を育成できる(表1)。培土量は、生育が優れ、断根率が低く、掘り取りが容易な17リットルが適量である。 3. 主幹から発生した新梢(副梢)が10~15cm伸びたときに、基部から5葉残して副梢を摘心し、副梢から発生した新梢(副々梢)を約60cmで摘心することにより、新梢伸長量を最大にできる(図1)。 4. 年間窒素成分で20gを5月~9月の間に2gずつの10回分施することで、新梢伸長量を最大にできる(図2)。 5. pF2.6に達した時点で約20mm/回の自動かん水を行えば、目標とする大苗を育成できる。pF2.0およびpF2.3では,盛夏期における1日あたりのかん水回数は5回以上、pF2.6では、1日あたり1回である(表2)。pF値が小さいほど生育は良好となるが、かん水した水の多くが容器外に流出するので、pF値を2.6より小さくする場合は1回あたりのかん水量を少なくする必要がある。 6. 以上の結果から、モモの大苗を自家育苗する最適な方法は、pF2.6以下でかん水する条件のもとで不織布容器を用い、年間窒素成分で20gを新梢伸長期に2gずつ10回分施し、副梢が10~15cm伸びたら、基部から5葉残して副梢を摘心し、副梢から発生する副々梢を約60cmで摘心する方法である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 不織布容器で育苗を行う場合は、深さ20cmほど耕した土地に設置する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 育苗 改植 台木 品種 もも |