タイトル | 米ぬかを利用した悪臭対策 |
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担当機関 | 広島畜技セ |
研究期間 | 2000~2001 |
研究担当者 |
古本史 高橋俊夫 松村弘明 |
発行年度 | 2002 |
要約 | ふんや堆肥の上に米ぬかを厚さ約2cmで散布すれば、速効性のある脱臭資材と して利用でき、ペレットにしてもその効果は期待できる。脱臭効果は約1週間期待できる。脱臭は米ぬかの持つ吸着作用と思われる。 |
キーワード | 米ぬか、悪臭、脱臭、家畜堆肥、ふん |
背景・ねらい | 悪臭問題に悩む畜産農家では低コストで簡易、しかも速効性のある脱臭技術を必要としている。脱臭を目的とする市販の微生物資材の効果には確実性がなく、家畜堆肥やふんによる悪臭が問題になった際、適切な対策がない。そこで、身近にある安価な資材から、脱臭に効果のある資材を選定し、実用性を検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 身近な資材として米ぬか、腐葉土、木炭、くん炭、オガクズを家畜堆肥の表面に散布したところ、米ぬかと腐葉土が強い脱臭効果を示した。このうち安価な米ぬかが現実的に利用できると考える(図1)。 2. 米ぬかの散布量を検討したところ、ふんや堆肥の上に厚さ約2cmの散布が適当であった(図2)。実証試験では脱臭効果は約1週間持続し、牛や鶏のふんにおいても有効であった。 3. この脱臭機序を解明するために行った試験では、散布した米ぬかは経時的に含水率が増加し、中性からアルカリ性に変化した。脱脂米ぬか、ふすまについても同様だった(表1)。散布後は米ぬか、ふすま、脱脂米ぬかの順でアンモニア含量が増加しており、脱脂米ぬかに米ぬか油を添加しても脱臭効果は改善できなかった。これらのことから、米ぬかの脱臭効果の主体は物理的な特性も含めた吸着と考える(表2、3)。 4. 米ぬかを厚さ約2cmで散布することで、ハエの発生が抑制できた。 5. 機械散布を想定し、米ぬかをペレット(径4mm、長10mm)に成型して厚さ約2cmで散布しても、微粉末の状態と変わらない脱臭効果があった(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 緊急避難的な脱臭技術として活用できる。 2. 米ぬかの含水率が脱臭効果には関係するため、屋内や晴天時に散布は限定される。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
図表6 | ![]() |
カテゴリ | 低コスト 鶏 |