タイトル | 夏秋茶葉を活用した粉末製品の食品素材としての利用 |
---|---|
担当機関 | 化学担当 |
研究期間 | 2000~2001 |
研究担当者 |
原口健司 山下幸司 瀬戸谷隆治 村上宏亮 藤田美智代 牧英樹 木村泰子 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 夏秋茶葉の利用拡大を図るために開発した製茶法により得られた粉末製品は、粉末茶の種類と使用量を選択することで、広範な食品に素材としての利用が可能である。 |
キーワード | 夏秋茶葉、新製茶法、粉末茶、食品素材 |
背景・ねらい | 夏秋期の茶葉(以下「夏秋茶葉」という。)は、一番茶に比べて収益性が低く、中山間地で生産が減少しているが、近年注目を浴びているカテキン等機能性成分が多く含まれていることから、これを有効に活用できれば茶業経営の改善に役立つと考えられる。 これまで夏秋茶葉の新規用途向きの簡便な製茶法による粉末製品として、二番茶被覆原料をマイクロ波製造しボールミルで粉砕したもの(以下「マイクロ波製茶粉末」という。)、及び同じ生葉を搾汁製茶したもの(環状オリゴ糖を半量含む。以下「搾汁液粉末」という。)を開発した。 今回上記2種の粉末製品と、同じ生葉をてん茶機製造しボールミルで粉砕したもの(以下「てん茶粉末」という。)について、測色値や物性等の調査及び官能検査を行うことにより、製品の特長を生かした利用法及び食品に利用する場合の加工適性を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. マイクロ波製茶粉末はてん茶と同様の性状であるが、食品に利用した場合、てん茶粉末でみられる色沢の赤黒みや夏秋茶葉特有の硬葉臭味が緩和され、緑色が鮮やかで苦渋味や青臭味が和らいださわやかな風味を呈する(表1)。 2. 搾汁液粉末は水溶性であるため、容易に多量の添加が可能であり、作業性等に影響を与えることなく機能性成分が強化できる(表1)。 3. てん茶粉末で添加量の増加に伴う品質の変化を見ると、茶の風味が増し緑色が濃くなる。マイクロ波製茶粉末についても同様の成果が得られている(表2)。 4. 食品の種類により、適切な粉末茶の種類と使用量を選択することで、各製品の特長をより生かすことができる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. マイクロ波製茶粉末は、加熱による変色がみられるため調理上注意が必要である。また使用量が多すぎると製品が硬くなる等調理の際の作業性が悪くなる。 2. 搾汁液粉末を利用した食品は、てん茶粉末やマイクロ波製茶粉末を同量利用した場合に比べて緑色が薄く、茶の風味も弱くなる。 3. マイクロ波製茶粉末はてん茶粉末と同様の利用が可能であり、搾汁液粉末は主に機能性成分に着目した利用が適当である。また、両者を併用するとより効果的である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 加工適性 機能性成分 経営管理 茶 中山間地域 てん茶 |