タイトル | 緑茶エキス粉末製法における効率的成分抽出方法 |
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担当機関 | 奈良県農技セ |
研究期間 | 1998~2001 |
研究担当者 |
宮本大輔 小野良允 谷川明日香 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 茶葉の搾汁時にエタノールを添加することでタンニンおよびカフェインの抽出効率が高くなる。また搾汁前に蒸葉重量の60%の水を添加したり、搾汁後の滓葉に蒸葉重量の20%の水を添加し、搾汁を繰り返すことによりアミノ酸やアスコルビン酸が効率よく抽出できる。 |
背景・ねらい | 機能性食品等茶葉の多用途利用を図るために本県で緑茶エキス粉末の製造法を開発した。本製法では、蒸熱された生葉を圧搾機で搾汁し、得られたエキスをろ過、乾燥し緑茶エキス粉末を製造するが、搾汁する効率が重要となる。そのため、成分のより効率的な抽出方法について検討を行なう。 |
成果の内容・特徴 | 1. 茶葉の搾汁時に99%エタノールを細断蒸葉重量の30%混合した場合、搾汁固形分当りの成分含量は、無添加搾汁に比べタンニンで75%、カフェインで50%増加する(図1)。 2. 搾汁(図2の一番搾り)後の滓葉に水を添加(蒸葉重量の20%、図2の2~3番搾り)し再び搾汁を繰り返すことで、また最初から多量の水(蒸葉重量の60%、図2の多量水1回)を添加し搾汁することで、アミノ酸やアスコルビン酸を効率よく抽出することができる(図2)。 3. カテキン類は3回の水を加えた繰り返し搾汁や、最初から多量の水を加えた抽出操作でも元の茶葉中のカテキン類の1/4しか搾汁できない(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 緑茶エキス粉末の製造法において、同一茶葉から有効成分を効率的に抽出することが可能である。 2. 茶葉中からタンニンを目的として抽出する場合はエタノールの添加を行うと効率がよく、アミノ酸、アスコルビン酸を目的とする場合は水を添加して搾汁することで効率の良い成分抽出ができる。 3. コストや安全面からエタノールや添加量、回収方法についても留意する必要がある。 4. エタノールで抽出した場合の緑茶エキス粉末は噴霧乾燥など加熱乾燥しても、アルコール臭が残るが、機能性食品および食品以外への利用には問題ない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 コスト シカ 機能性食品 茶 |