タイトル |
黒毛和種牛骨格筋におけるミオスタチン遺伝子の発現推移 |
担当機関 |
香川農試 |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
宮下武則
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発行年度 |
2003 |
要約 |
日平均気温から10℃を差し引いた値の積算値である有効積算気温(ΣT10)を用いることで、積算気温よりも収穫適期の判定精度が高まる。水稲中生品種では、出穂日から収穫最適日までのΣT10は550日℃である。
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キーワード |
イネ、収穫適期判定法、有効積算気温、玄米品質
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背景・ねらい |
近年、水稲の1等米比率の低下が顕著となっており、適期収穫されていないこともその要因の一つとなっている。本県で利用されている収穫適期判定基準は黄変籾率と積算気温であるが、黄変籾率は施肥や着生籾数の多少によって(図1)、積算気温は気温の高低によって偏りが生じやすいため(図2上)、着生籾数が多いほ場や異常気象年には十分に対応できていない。このため、中生品種全般にわたって、登熟温度や着生籾数が変化しても適用できる収穫適期判定法を確立し、品質向上を推進する。
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成果の内容・特徴 |
- 籾の水分分布が28~29%を中心に最もシャープな山形を形成した日の1~2日後が外観品質確保からみた収穫最適日である。収穫適期の早限は最適日の2日前、晩限は最適日の4~7日後(品種や気温によって異なる)である(データ略、図1参照)。
- 外観品質からみた収穫適期は、成熟期判定基準である黄変籾率85~90%よりもやや早く、着生籾数が多いとこの傾向が強くなる(図1)。
- 成熟期判定基準である出穂後の積算気温(日平均気温の積算値:オオセトでは930~980日℃)との関係は、登熟期の平均気温で変化し、気温が高い場合は積算気温からみた成熟期よりも前に収穫適期となる(図2上)。
- 日平均気温から10℃を差し引いた値を積算した有効積算気温(ΣT10:内嶋,1976)は、品種にも登熟期間中の平均気温にも影響されず、ほぼ550日℃の時が収穫適期となるので、収穫適期判定基準として利用できる(図2下、表1)。
- 同様の方法で求めた収穫適期の早限までの有効積算気温は530日℃、晩限までの有効積算気温は「オオセト」「あきげしき」及び「ヒノヒカリ」は590日℃、「コガネマサリ」は650日℃である(表1)。
- 現地実証試験において、有効積算気温は積算気温や黄変籾率よりも高い精度で収穫適期を判定でき(表2)、汎用性が高い。
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成果の活用面・留意点 |
- 水稲中生品種のみに適用できる。早生品種では気温が登熟促進の上限温度を超える時間帯が生じてΣT10が大きくなりやすく、晩生品種では下限温度を下回る時間帯が生じてΣT10が小さくなりやすいため,このままでは適用できない。
- 収穫適期の晩限は、着生籾数3万粒/m2以下の場合に適用できる。着生籾数が3万粒を超えると晩限はより早まりΣT10は小さくなる。
- 供試した品種以外にも一般的な中生品種には適用できると考えられるが、大粒系統などの登熟期間そのものが長い品種には適用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
水稲
施肥
品種
品質確保
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